観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

広島名物「お好み焼き」&「もみじ饅頭」(広島その9)

広島での夜は、旅の仲間と居酒屋で一杯やりました。そこそこ呑んだあと、少し物足りなかったので、向かった先は「お好み村」。市内中心部の新天地にあります。

ここは戦後まもなくの屋台群がルーツ。お好み焼きの専門店街ですね。

現在の建物になったのは1992年で、一つのビルの2階から4階までに、およそ25店舗ほどが営業しています。

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「お好み村」に着いたのは夜もかなり更けた頃でした。このため、残念なことに大半の店が営業を終えて閉まっていました。

やむなく近隣で、まだ開いている店を探して、ようやく「お好み焼き」にありつけました。

注文したのは、一番オーソドックスな、中華そば入りの「お好み焼き」です。

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併せて、地物の「小いわし刺身」などを頼みました。

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広島焼の特徴は、まず具材として「中華麺」を加えることが多いこと、それに「もやし」を入れることにあるようです。焼き方は、生地と具材とを混ぜ合わせずに「重ね焼き」とするのが特徴ですね。

先の居酒屋で結構、食べたり飲んだりしていましたが、ここの「お好み焼き」も一枚をペロリと食べきりました。本場の味は、さすがに美味しかったです。

帰京時のお土産は、これまた定番の「もみじ饅頭」としました。

買ったのは、近年売り出し中の「生もみじ」(にしき堂)です。ひと箱のなかに、こし餡、粒餡、抹茶餡の三種類が入っています。

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売り場では、一つ丸ごとを味見させてもらいました。もっちりとした独特の食感で、甘すぎず、これもなかなかの味でした。

広島は、見どころも多く、食べ物や土産物にも特徴があっていいですね。

それに広島東洋カープが強いので、阪神タイガースを応援する私には、まったく羨ましい限りです。

地元の人によれば、サッカーのサンフレッチェ広島の成績がいまひとつなのが不満だと言っていましたが、それは余りに贅沢というものでしょう。

広島には、機会をとらえて、また訪れたいと思います。 


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恒久平和へのシンボル「原爆ドーム」(広島その8)

広島城を見学したあとは、原爆ドームへと向かいました。

元安川のたもとにある原爆ドームは、1945年8月、広島市に投下された原子爆弾の悲惨さを今に伝える被爆建造物です。

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もともとは1915年に竣工した広島県物産陳列館で、チェコ人建築家のヤン・レツルが設計したもの。

地上3階(一部5階)建て、高さ約25mのセセッション様式と呼ばれる建物で、曲面を多く使ったことに特徴があります。

1933年に改修されて、被爆時は広島県産業奨励館という名称でした。

爆心地(建物の東150m)に近かったものの、ほぼ真上から衝撃波を受けたことなどから、中央のドーム部分は奇跡的に全壊を免れ、枠組みと外壁などが残りました。

戦後は、保存か取り壊しかで意見が分かれたようですが、被爆の惨禍と、恒久平和へのシンボルとして1966年に永久保存することが決まっています。

また、1996年にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。

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元安川を挟んで平和記念公園が広がっています。訪れた時には、沢山の修学旅行生がボランティア・ガイドの説明に耳を澄ませていました。

私もこれまで何度か、この場所を訪れましたが、そのたびに厳粛な気持ちになり、身も心も引き締まります。

いま我々が平和な日常生活を送ることができるのも、このような惨禍で犠牲になられた人々のおかげだと思います。

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ここには、戦争と平和などについて、いろいろと考えさせる題材が沢山あります。

世界中の人たちが、できるだけ多く、この地を訪問されるよう祈りたいと思います。


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復元された外観が見事な広島城(広島その7)

宮島を見たあとは、広島市内へと戻ってきました。JRの在来線に揺られて、およそ30分ほどの行程です。

JR広島駅前からは路面電車に乗って、広島城へと向かいました。

広島城は、もともと毛利輝元太田川河口のデルタ地帯に築いた平城(ひらじろ)ですね。

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1945年まで天守閣をはじめとする城郭建築が残されていましたが、原爆投下によって、それらのすべてが失われてしまいました。

現在の天守閣は、1958年に外観復元天守として再建されたもの。今も日本三大平城に数えられています。ちなみに、他の二つは名古屋城岡山城となります。

久しぶりに見る広島城天守閣は、見事な外観で此方に迫ってくるかのようでした。

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この城を見た正岡子規が詠んだ句が「春暁や 城あらはるる 松の上」。季節は異なりますが、この句の情景そのままのような景観でしたね。

ここにも外国人(西洋人)観光客が、ひっきりなしに訪れていました。

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また、広島は明治期から軍都としても発展してきました。

広い城址公園内には、日清戦争時に置かれた広島大本営の跡(礎石)が残っています。

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この時期には、明治天皇行幸され、しばらく滞在されていたとか。帝国議会も広島で開催されて、一時は臨時首都として機能したそうです。たいしたものですね。

 城址公園の敷地内には、広島護国神社が祀られていたので参拝してきました。

ここは、プロ野球広島東洋カープがシーズン前に必勝祈願に訪れる神社として知られていますね。

 広島城は「鯉城(りじょう)」とも別称されています。お城の周辺一帯は、その昔「己斐浦(こいのうら)」と呼ばれていたからだそう。

広島東洋カープのチーム名(Carp)もここから取ったものですね。

それにしても、広島東洋カープの三連覇はすごいです。

できることなら、我が阪神タイガースにも、少しはお裾分け(ご利益)を頂きたいものだと思いました。

タイガース、少しはカープを見習って頑張れ!!


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表参道商店街と"かきめし"【宮島】(広島その6)

宮島では名物の"あなごめし"と"かきめし"の両方を食べてみたいと思っていました。

写真は、宮島の表参道商店街です。

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フェリーを降りた観光客が厳島神社参詣の際に必ずといってよいほど通る商店街ですね。

ここには"もみじまんじゅう"などの土産店や"牡蠣"などの専門店等が沢山軒を連ねています。

また、郵便局の前に置いてあるポストも昔風(書状集箱)でした。結構、気を遣っていますね。

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次の写真は、商店街にある牡蠣料理店で食べた"かきめし"です。

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大振りの牡蠣がのっていて美味しかったです。

昼食に"あなごめし"を食べたにもかかわらず、この"かきめし"もすんなりとお腹に収まりました。

まあ、弥山(みせん)の山登りが効いたみたいですけどね。

宮島での滞在時間は、せいぜい3〜4時間でした。さすが日本三景にして世界文化遺産の島だけあって、見るもの全てが素晴らしかったです。

次は宮島最後の写真となります。

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写真屋さんに野生鹿が、何かおねだりをしていました。

宮島には、また来てみたいと思わせる魅力が沢山ありました。外国人観光客も多いはずですね。久しぶりに訪れて本当に良かったです。

                                    (次は、広島城です)


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絶景の弥山へ【宮島】(広島その5)

厳島神社に参拝したあとは、弥山(みせん)へと向かいました。

弥山は、厳島神社の背後にそびえる標高535mの山で、古くから信仰の対象となっています。宮島には何度か訪れたことがありますが、弥山に登るのは今回が初めてです。

弥山には幾つかの登山コースがあって、歩きでは往復3~4時間もかかるそう。そこで今回は、時間が節約できて、一番楽に登れるロープウェイを利用しました。

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このロープウェイ、一回乗れば山頂の展望台まで連れていってくれるのかと思いきや、二つのロープウェイを乗り継ぐ方式です。それも終点は途中まで。まあ、それだけ急峻な山だということでしょうか。

最初は8人乗りの循環式(スキー場によくあるタイプですね)で、次が30人乗りの交走式。タイプの異なるロープウェイに乗れて、何やら得した気分です。

国の天然記念物「弥山原始林」を縫って、急峻な山を上るロープウェイからの眺めは素晴らしかったです。

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ここでも、同乗した人のほとんどが外国人(西洋人)観光客で、日本とは思えないような雰囲気でした。これも世界文化遺産ミシュラン三ツ星による効果でしょうか。

終点の獅子岩駅で降りると、すぐにあるのが「獅子岩展望台」。ここからは能美島江田島大黒神島など瀬戸内海に浮かぶ島々が眺められて、まさに絶景でした。

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獅子岩展望台」から弥山山頂へは、歩きで約30分ほどです。道はアップダウンの連続で、結構きつかったですね。途中で諦めて戻っていく家族連れもいました。

途中には、弥山七不思議の一つである「不消霊火堂(きえずのれいかどう)」があります。

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806年に空海が宮島で修業した際に焚かれた護摩の火が、1,200年経った現在も燃え続けているというもの。この霊火を前にすると、なにやら厳粛な気分になりますね。

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ここを過ぎると、山頂までの間に巨石や奇岩(「くぐり岩」や「不動岩」など)を見ることができます。それらは、見るからに不思議さを感じる景観でしたね。

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山頂には展望台があって、そこから眺める巨石や瀬戸内の眺めは、まさに絶景でした。

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この弥山山頂では、類希なる絶景を堪能することができます。確かに、ここは訪れる価値がある場所ですね。

宮島を訪れる皆さんには、ぜひとも弥山に登られることをお勧めします。

全くもって素晴らしい体験が出来ました。


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立ち姿が美しい大鳥居【厳島神社】(広島その4)

宮島の景観のなかで最も印象深い建造物といえば、なんといっても厳島神社の大鳥居でしょうか。

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社殿からおよそ200m離れた沖合に立ち、大きさと形、それに色彩(丹塗り)とが相まって、その姿はこれぞ宮島という輝きを放っています。

現在の鳥居は、創建時から数えて8代目にあたり、1875(明治8)年に再建されたものとか。

高さ16m、棟の長さ24mの両部鳥居(各主柱に2本ずつの控柱が付く様式)は、木造にして国内最大級の大きさ。「日本三大鳥居」の一つに数えられています。

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ちなみに、あとの二つは春日大社(奈良)と気比神宮(福井・敦賀)の大鳥居となります。

今回、厳島神社を訪れたのは、ちょうど潮が引き始めた時間帯でした。しばらく待っていると、大鳥居の近くまで歩いていけるほどになりました。そして沢山の参拝客などが、大鳥居に近づいて写真を撮っています。

近くまで行ってみると、その大きさが実感されました。主柱(おもばしら)の根回りは10mほどもあるそうで、なかなかの迫力です。

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主柱は、社殿側から見て右側が宮崎県から、左側が香川県から切り出されたクスノキが使われているそう。両柱ともに、1950年の修理時に根継ぎが行われています。

現在の大鳥居は、再建から既に140年以上もの年月が経過していることになります。

木造で海中に立っているので、いくら根継ぎを繰り返したとしても、いつかはまた全面的な再建ということになるでしょう。

そのときに、このような巨大なクスノキが日本国内で調達できるのかどうか、少し心配になりますね(余計な心配かもしれませんが・・・)。

全くの余談となりますが、今年の10月、約300年振りに再建された奈良・興福寺の中金堂では、カメルーン(アフリカ)産のケヤキ材が使われたことで話題となりました。

これから日本では、もっと長期的な視点にたって、木材の育成や調達を考えていかないといけないのでは、と考えさせられました。話が横道に逸れましたね。申し訳ありません。

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ともあれ、厳島神社の大鳥居は、立ち姿がとても美しく、時間を忘れて眺めてしまうほどでした。その間に外国人観光客から、カメラのシャッター押しを何度も依頼されて閉口しましたが・・・。   


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丹塗りも美しい厳島神社(広島その3)

厳島神社安芸国の"一の宮 "であり、全国に約500社ある厳島神社の総本社です。また世界文化遺産として登録されています。

創建は593年と古く、平家の守護神として尊崇され、平清盛によって現在の海上に建つ大規模な社殿が整えられました。

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宮島全体が神の島として崇められていたことから、陸地ではなく潮が満ち引きする海上に社殿が造られたと言われています。

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かつて厳島神社を訪れたのは、かなり以前のことで、ほとんど記憶に残っていません。

このため、今回は建物をじっくりと見学できることを楽しみに訪れました。

この神社建築の見所は沢山ありますが、なんといっても特徴的なのは長い廻廊ですね。

写真は、丹塗りも美しい廻廊です。

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廻廊は東西2ヶ所にあって、総延長は108間(約260m)あります。

床板は、1間に8枚敷いてあり、釘は使っていないとか。板と板の間は少し隙間があり、高潮や台風時に床下から押し上げてくる海水の圧力を弱め、また廻廊に上がった海水を流す構造になっているそう。

建物を高潮などから守る工夫が良く考えられています。

海上に造られていることもあって、まるで海の上を歩いているような感覚になりますね。それに何といっても素晴らしいのが、色と形の美しさです。

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回廊の先にある御本社本殿の前には、沢山の人だかりができていました。何事だろうと覗いてみると、神前結婚式が行われていました。外国人観光客にとっては、とても珍しい光景のようで、皆、興味深そうに見学していました。

訪れたのは、ちょうど午後の干潮へと差しかかる時間帯。徐々に海面が遠ざかっていく様子は、なかなか興味深かったですね。

写真は潮が引いた後の「鏡の池」です。

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潮が引くと、丸い池が現れて、ちょうど手鏡のようにみえることから名づけられたとか。

他にも、能舞台や反橋(そりばし)など興味深い建物がありました。

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どの建物も丹塗りですが、流石に能舞台だけは朱色に塗られていません(当然ですかね)。

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           (厳島神社、続きます)


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