観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

伊勢うどん、赤福氷など(伊勢・志摩その2)

 外宮を参拝したあとは、伊勢市駅まで続く参道を散策しました。

伊勢で食べたかったものに「伊勢うどん」と「赤福餅」があります。

いずれ劣らぬ伊勢名物ですね。

写真は「伊勢うどん」です。 外宮からすぐのところにある「中むら」で食べました。

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よく茹であげて柔らかくした太い麺を、黒く濃厚なタレに絡めて食します。 タレは、たまり醤油に出汁を加えてあり、店によって鰹節やいりこ、昆布等を使い分けているらしい。

具は全くなくて、薬味のネギだけというのも潔いですね。

実際に食べてみると、見た目ほど辛くもなく、もちもちした食感で美味しかったです。

お代は、560円でした。

少し歩いたあと、次に「赤福外宮前特設店」へと入ってみました。

ここで注文したのが「赤福氷」と「赤福盆(2個入り)」。

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赤福氷」は夏場だけの限定商品とかで、写真入りのメニューを見て一目で気に入って注文しました。

抹茶蜜のかかった「かき氷」のなかに、餡と餅が別々に入っていました。

餡と餅は赤福餅そのものではなくて、冷たい氷になじむように特製したものだそう。

赤福氷」は、昭和36年に、二見浦で海水浴客用に考案したのが始まりとか。

見た目はシンプルですが、さっぱりとした味わいで美味しかったです。

赤福餅」は、言わずもがなの銘菓ですね。

餅を漉し餡でくるんで、漉し餡には三つの筋がついています。 この筋は、五十鈴川の流れを表しているそう。

それほど甘くもなく、優しい味がして、これも美味しかったです。

お代は、「赤福氷」が520円、「赤福盆(2個入り)」が210円でした。

写真がないので恐縮なのですが、持ち帰りで「ひんやりパイン大福」(一粒300円)を購入しました。

フルーツ大福ですが、白餡とともにパイナップルが入っていて、面白い味でした。

これも夏場限定の商品のようで、ホテルに持ち帰って冷やして食べると幸せな気分になりました。

初日から伊勢名物を立て続けに食しましたが、いずれも文句なしに皆さんにおススメします。

 
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伊勢神宮・外宮(伊勢・志摩その1)

かねてから参拝したいと思っていた伊勢神宮へと出かけました。

転勤で名古屋に2度住んだことがあるので、伊勢・志摩方面には何度か訪れたことがあります。

でも、それも昔のことで、伊勢神宮へのお参りは本当に久しぶりでした。

東京からは、まず新幹線で名古屋まで行き、そこからレンタカーで現地へと向かいました。 もう少し早く着くと思っていたのですが、結構、時間がかかりました。 これなら名古屋から近鉄特急を利用したほうが楽だったかもしれませんね。

伊勢神宮は、説明するまでもなく、わが国で筆頭の社格を誇る神社です。

「神宮125社」と呼ばれる宮社があり、その内訳は、内外正宮、別宮14、摂社43、末社24、所管社42で、伊勢市を中心に広く4市2郡にまたがって所在しています。

今回は、内外正宮と幾つかの別宮をお参りしてきました。

参拝の順番としては、最初に外宮ですね。

 一般に外宮と呼ばれる豊受大神宮には、衣食住の守り神である豊受大御神が祀られています。

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まずは、御正宮(ごしょうぐう)へと参拝。

下の写真は御正宮の正面鳥居を撮ったもの。

ここから先は撮影禁止となります。

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土曜日だったせいか、団体客を中心に参拝者はとても多かったです。

御正宮の隣には、遷宮のための予定地がとってあります。 これは、かなりの広さですね。

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式年遷宮(定期的に行われる遷宮)は、原則として20年ごとに行われています。 直近では、平成25(2013)年に行われたそう。 白木のお社を建て替えつつ清浄に維持し、建築技術の伝承も図るなど稀有な知恵といえますね。 

次の写真は、別宮の一つを撮ったもの。

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深い森のなかで、そこだけが光を浴びて浮かび上がっていました。

余談ですが、伊勢神宮には御神籤(おみくじ)がありません。 御神籤は、身近な神社でひくものだからだとか(諸説あります)。

御朱印は頂いてきました。 それは、少し拍子抜けするくらいシンプルな御朱印でした。 まあ、このほうが、お伊勢さんの有難みがあるようにも思いますね。 

外宮では、久しぶりに清浄な森のなかを歩いて参拝したせいか、とても清々しい気分になりました。

 日本人にとって、やはり伊勢神宮は特別な存在ということなのでしょう。

久々にお参りができて良かったです。

なお、静かにゆっくりとお参りするのなら、人が少ない曜日や時間帯を選んだ方が良いかもしれません。


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栃木県名物の「レモン牛乳」(日光その10)

あるTV番組で、栃木県民なら誰でも知っているという「レモン牛乳」を取り上げていました。

それを急に思いだして、帰りの電車待ちの間に駅の売店で購入したのが次の写真です。

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写真でもわかるように、パッケージには「関東・栃木 レモン 乳飲料 無果汁」と書いてあります。

見るからに可愛い感じのパッケージなのですが、よくよく観察すると次のような疑問点が・・・。

  ・「関東」の文字に比べて、「栃木」の文字が小さい。

  ・「牛乳」ではなく「乳飲料」と表記。

  ・「レモン」と大書してあるのに、「無果汁」と表記されている。

調べてみると、以下のようなことが分かりました。

その成り立ちは、第二次大戦後まもなく、宇都宮市の製乳メーカー「関東牛乳」 が、「関東レモン牛乳」のブランドで発売したのが始まりとか。 

それが、学校行事(運動会など)や購買部での売れ筋商品となって、栃木県民にとって子供時代からの馴染み深い味となっていったらしい。

その後、「関東牛乳」が廃業したため、地場の製乳メーカー「栃木乳業」がその味(レシピ)を受け継いで、県内を中心に販売しているそう。

また、日本では2003年から生乳100%のものしか「牛乳」と表記できなくなったため「レモン牛乳」とは名乗れなくなったとか。

さらに、製法は生乳に砂糖、香料、着色料などを加えたもので、レモン果汁は入っていないため「無果汁」と表記されています。

実際に飲んでみると、黄色い液体ですがレモンの味は特にしなかったですね。 色が黄色いから「レモン」ということなのでしょうか。

でも、どこか懐かしい味で、美味しかったです。

「レモン」のほかに「イチゴ」や「コーヒー」があるそうなので、一体どんな飲み物なのか、機会をみて試してみたいと思います。

それにしても、なんとも不思議な飲み物でした。

栃木県、なかなかやりますね。

日光の旅は、これにてお仕舞いとします。

(なお、日光には昨年の新緑の季節に出かけました)


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金谷侍屋敷(日光その9)

早いもので、7月となりましたね。

6月は総会などが集中していて、当方も その煽りで結構忙しい毎日でした。

漸くひと段落したので、この土日はどこかに出かけたかったのですが、天気は今ひとつ。 仕方なく家でゆっくりとしていました。

これから夏に向けて、旅の計画を立てようと思っています。

さて、今回も日光の続きとなります。

取り上げるのは「金谷侍屋敷」。

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ここは、外国人が安心して泊まれる民宿として金谷ホテルの創業者・金谷善一郎が自宅を改造して始めた「金谷カテッジイン」です。 今は「金谷ホテル歴史館」として一般公開されています。

開業は明治6(1873)年のこと。 もともと武家屋敷であったことから、外国人から「サムライハウス」と呼ばれたらしい。

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明治26(1893)年に「日光金谷ホテル」をオープンするまでの20年間、ここで多くの外国人旅行者をもてなしたそう。

なかに入ると、そこは遥か昔へとタイムスリップしたかのような別世界でした。

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年月を経た柱や梁、調度品などは綺麗に保存されていて、滝の流れる裏庭や、庭木が美しい前庭などと相まって、とても興味深く見学できました。

この建物、釘は一本も使われていないとか。 江戸期の建築技術の確かさに驚かされました。

内部の造りも、隠し扉や階段などがあったり、低い天井の部屋があったり(刀を振りかざせないような構造らしい)と面白かったです。

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裏庭に面したガラス戸は、吹きガラスを使用しているらしく、入り込む光が柔らかで、外の景色が少し歪んで見えるなど、私の子供時代を過ごした田舎の実家を思い出しました。

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英国の紀行作家イザベラ・バードが、しばらく逗留した部屋も見学できました。

彼女が書いた『日本奥地紀行』(平凡社)を読むと、明治11年に泊まった、この金谷家の造りや周辺環境の素晴らしさ、それに部屋の綺麗さ、清潔さを大変に誉めています。

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また、この「侍屋敷」の隣には「カテッジイン・レストラン」があって、金谷ホテルベーカリー(売店)が入っています。 

ここでお土産用(と言っても自分で食べるのですが・・・)のパンを購入してから、帰途へとつきました。

「侍屋敷」の見学と「べーカリー」での買い物は、皆さんにおススメしたいと思います。

 
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日光東照宮(日光その8)

日光の旅での白眉と言えば、何といっても日光東照宮でしょう。

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日光東照宮は、徳川家康公の霊廟として1617年に創建され、三代将軍・家光公によって1636年に造営されました。

これにより、わが国の代表的な神社建築の様式である「権現造」が出来上がったといわれています。

日光東照宮では、当時の最高水準の建築・意匠技術が用いられた本殿など8棟が国宝に、また34棟が重要文化財に指定されています。

平成11(1999)年には、わが国で10番目となるユネスコ世界遺産へと登録されました。

日光の社寺」で構成され、その範囲は二社一寺(東照宮二荒山神社輪王寺)と、周辺の文化的景観からなっています。

今回、東照宮の境内へ入ってみて、まずは参拝客(観光客)の多さに驚きました。

それも、目立ったのは外国人観光客ですね。

さすがは日本を代表する建築遺産です。 それに、建築物の意匠や色彩が派手で鮮やかなので、外国人好みなのかもしれません。

写真は、陽明門です。

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余りにも有名な楼門ですね。 

高さ11m、間口7m、奥行き4.4mの門で、508体もの彫刻で覆われています。

いつまで見ていても飽きないことから「日暮御門」とも呼ばれたとか。

確かに精緻で色彩鮮やかな彫刻や意匠は、一見の価値があります。

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次は、五重塔です。

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この五重塔は、以前の塔が焼失したため、1818年に再建されたものだそう。 高さは35mもあります。

神社に五重塔か?、とも思いますが、神仏習合本地垂迹説)からすると、ごく自然なことなのでしょう。

各地でいろいろな塔を見ていますが、これほど色彩感があって凝った意匠のものは、なかなか知りませんね。 大したものです。

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続いては、有名な「眠猫」を撮ったもの。

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名工・左甚五郎の作といわれています。

この猫は、家康公の墓所へと続く奥社参道の入り口を護っているとか。

でも、眠っていますね。 不思議な猫です。

神社に猫の彫刻があるのは、本当に珍しいそう。

 最後は、「三猿」の写真です。

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陰陽五行思想で、猿は馬を病気から守ると言われており、神厩舎にこの彫刻が施されています。

8面16匹で猿の一生を描いていますが、その2面目に「三猿」がありました。

見ざる、言わざる、聞かざる、の様子はあまりに有名ですね。

私がシンガポール在住の頃、東南アジアを回っていると、あちこちで「三猿」を見ました。 

「三猿」も国際的なんだ、と当時、感慨に耽った(?)ことを思いだしました。

日光東照宮では、この外にも沢山の写真を撮ったのですが、とても紹介しきれないので、今回はこの辺でお仕舞いとします。 


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日光二荒山神社(日光その7)

今回の旅では、日光二荒山神社(にっこう・ふたらさん・じんじゃ)への参詣を楽しみにしていました。

日光二荒山神社は、ユネスコ世界遺産日光の社寺」の構成遺産ですね。

そしてこの神社は、古来より修験道山岳信仰)の霊場として崇敬されてきました。

創建は767年(伝)。 華厳の滝を発見したという勝道上人が開祖とされています。

近頃では、強力なパワースポットとして、神社ガール(御朱印ガール)から熱い支持を受けているとか。

神社側も意識しているのか、こんなキャラクターを作っていました。

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そう言えば、私も各地の神社で御朱印を頂いていますが、特に最近は女性が長蛇の列を作っていて順番待ちに閉口しています。 神様も、さぞや女性のパワーに驚いていることでしょう(私見です)。

主祭神は3柱で、それぞれ日光三山(男体山、女峯山、太郎山)が充てられています。

これら三山は神体山(いわゆる神奈備)で、霊峰として信仰されてきました。

このため、当神社の境内地は広大で、日光にある本社のほか、中宮祠(中禅寺湖畔、男体山登山口)、奥宮(男体山山頂)などに分かれています。 何と"いろは坂"や"華厳の滝"も境内地のなかにあるのだとか。

前置きが、ちと長くなりましたね。

写真は、日光山内の入り口にかかる神橋(しんきょう)。 国の重要文化財ですね。

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この橋の構造は、とっても変わっているらしい。 「乳の木」と呼ばれる大木を両岸の土や岩盤に埋め込み、斜め上向きに突き出して橋げたを渡す工法とか。 

このためなのか、この神橋は「日本三奇橋」の一つに数えられています。

ちなみに、残る二つは「猿橋」(山梨・大月市)と「錦帯橋」(山口・岩国市)だそう(諸説あります)。

実際に見ると、新緑にマッチして、なかなかに綺麗な立ち姿(?)です。 橋下を流れる大谷川には、大量の水が清冽で急な流れを作っていました。 

多くの外国人観光客が写真に収めているのもよく分かります。 海外では、こんなに綺麗な水流は滅多に見られないですからね。

次の写真は、上新道(参道)です。 

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片側に石灯篭が並び、杉並木と相まって清々しい雰囲気でした。

参道(上新道)の先にあるのが楼門(木造入母屋造)です。

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この楼門は比較的新しく、昭和53(1978)年に造られたものだそう。 それにしても立派な構えでした。

続いては、拝殿(国の重要文化財)です。

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1619年の造営で、屋根の葺き替えが行われたほかは、建てられた当時のままの姿だとか。 装飾もなく、ごく単純な建築様式ですが、すっきりと美しい建物でした。

今回は、男体山の入り口にある中宮祠などには参拝できませんでした。 

ここには、また機会を改めて訪れたいと思っています。


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華厳の滝と中禅寺湖など(日光その6)

中禅寺湖畔に建つ旧外国大使館別荘を見学した後は、華厳の滝へと向かいました。

中禅寺湖と言えば、何といっても華厳の滝ですね。

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湖からの唯一の流出口にあって、落差97m、滝幅7mの大瀑布は、日本三名瀑の一つに数えられています。

この滝を発見したのは勝道上人と言われ、仏教経典の一つである華厳経から名付けられたとか。

ちなみに日本三名瀑の残る二つは、那智の滝(落差131m)と袋田の滝(幅74m)となります。 余談ですが、袋田の滝(茨城・大子町)には、まだ訪れたことがないので、一度は見てみたいですね。

華厳の滝を訪れた日は、曇りがちの天気でしたが、エレベーター(有料です)で降りた先にある観瀑台からは、真正面に滝の様子を眺めることが出来ました(上の写真の通り)。

しばし、雄大な滝のしぶきを浴びながら、マイナスイオンに包まれて気分は爽快。

たまに、このような大きな滝を見ると癒されると同時に、気宇壮大な気分になりますね。 久しぶりに訪れて良かったです。

次の写真は、中禅寺湖男体山を撮ったもの。 

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中禅寺湖は、男体山の溶岩による堰止湖です。

湖は標高1,269mにあって、わが国でも屈指の高さにある湖とか。 

周囲は約25km、最大水深は163mもあるらしい。

男体山(標高2,486m)も良い姿をしていますね。 さすが日本百名山の一つ。 なかなか絵になります。

湖の周辺は、余り俗化された感じはなくて、良い自然環境を保っているように見えました。

訪れた日は観光客も、それほどは多くなかったです。

これからも変に開発されず、今の美しい姿のままであって欲しいですね。

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湖畔をドライブしていて、ランチがてら休憩したのがコーヒーハウス・ユーコン

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ここは、中禅寺金谷ホテルが経営している店で、なかなか雰囲気が良かったです。

注文したのは、評判の「百年ライスカレー」。

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大正時代のレシピを基に再現した伝統の味とか。

味付けは中辛で、コクがあり美味しかったです。

中禅寺湖周辺では、このレストランも、おススメです。


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