観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

盛り上がる"寅さんサミット"と"碧川かたの朝ドラ"誘致(兵庫・龍野その2)

久しぶりに訪れた龍野の城下町(兵庫県たつの市)では、2つの誘致活動が活発に行われていました。

一つが、「寅さんサミットを龍野に誘致する会」の活動です。

寅さんといえば、あまりにも有名な国民的映画「男はつらいよ」の主人公ですね。

そして、ここ龍野が第17作目「寅次郎 夕焼け小焼け」(1976年公開)の舞台(ロケ地)となっています。 

出演者は、渥美清をはじめ太地喜和子岡田嘉子宇野重吉久米明、寺尾聡など、いま考えても超がつくほどの豪華キャスト。 シリーズのなかで常に上位にランクされている名作です。

現在、年に1度、葛飾柴又(東京)で行われている「寅さんサミット」を、ロケ地である龍野に誘致しようというのが活動の目的とか。

そして、もう一つが「碧川かたを朝ドラの主人公にする会」の活動です。

”碧川(みどりかわ)かた” (1872年~1962年)は、龍野出身の詩人・三木露風の母で、離婚、再婚を経て、女性の自立や参政権運動などに取り組んだ社会運動家でもありました。

当時としては画期的ともいえる行動力をもった女性だったようです。

そもそもは鳥取池田藩の家老の家に生まれ、15歳で龍野の三木家へと嫁いで露風を産んだそう。

後に、両親の離婚で残された露風が母を想って作詩したのが、現在も広く知られている童謡「赤とんぼ」とか。

この "碧川かた" の生涯を、NHKの朝ドラでぜひ描いてもらいたいというのが活動の目的ですね。 できればロケも誘致したいということでしょうか。

これら2つの誘致活動ですが、いずれも地元の会員(県立龍野高校時代の同級生も含めて)を中心として、熱心に取り組まれている様子でした。

実現すれば、観光など地域活性化効果が大きく見込まれるので、及ばずながら応援していきたいと思っています。

今回は、つい熱が入って文章が長くなってしまいました。

下の写真は、鶏籠山(けいろうざん)の麓にある龍野城(霞城)の隅櫓(再建)を撮ったものです。

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次は、龍野城埋門(うずみもん)を撮ったもの。

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さらに、下の写真は三木露風の生家です。 

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場所は、埋門(うずみもん)の坂を下りたところの武家地景観通り沿いにあります。

前回のブログで紹介した「商家町・醸造町」とはまた異なった落ち着いた雰囲気が、ここ武家地景観通りにはあります。

機会があれば、ぜひ訪れて歩いてみてください。 

誰しもが懐かしさを感じるような、魅力ある町並みとなっています。

今回も最後に一言。

いま現在進行形で2つの誘致活動が行われていますね。

これらが実現したら(また、万が一しなくとも)、次のステップとして映画やTV、CM等のロケ誘致に本格的に取り組むと良いのではと思います。

誘致の方法には、フィルムコミッションの立ち上げなど、いろいろあります。

他地域の先行事例などを参考に、若い人や女性を活かして継続的な活動を行っていけば、これだけ素晴らしい地域資源(歴史的町並み等)があるのですから、きっと良い結果がついてくると思います。

         (次回も龍野の続きです)


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オータムフェスティバル in 龍野に出かけました(兵庫・龍野その1)

先週末は兵庫県太子町の実家に帰省しました。

ちょうど龍野の城下町(兵庫県たつの市)でオータムフェスティバルが開催中で、高校時代(県立龍野高校)の友人からの誘いもあり出かけてきました。

龍野は江戸期に脇坂家5万3千石の城下町として賑わった町です。 

地場の産業は淡口醤油や手延べ素麺(揖保の糸)などで、それら名産品は今も全国へと出荷されています。

特筆すべきは、今年の10月、龍野の町並みが国の ”重要伝統的建造物群保存地区”(重伝建地区)に選定されたこと。 

重伝建地区としての種別は、”商家町・醸造町” として選定されています。 

今も400年前の町割りをとどめ、江戸期中期から昭和初期に至る伝統的な町家や醤油蔵等が多数残されていることなどが評価されたとか。

恒例のオータムフェスティバルは、この城下町の古い町並みを歩いて巡るイベントです。 今年で17回目を迎えるとか。 結構な歴史がありますね。

写真は、龍野の伝統的町並みを撮ったもの。

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今回は、およそ150もの施設(町家、寺院、店舗、醤油工場など)が飲食店や物販店を出したり、イベントを行っていました。

なかには、人気で長蛇の列となっているところもありました。

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次の写真は、売られていた川ガニです。 これは珍しいですね。

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町のすぐ傍を流れる揖保川で獲れたものとか。

正式には "モクズガニ" という名前で、中華料理の定番である "上海ガニ" の近縁種らしい。

買って食べてみたかったのですが、一人での帰省なので残念ながら諦めました。

次の写真は、”醤油の郷 大正ロマン館" を撮ったもの。

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煉瓦造りの洋館は、旧龍野醤油同業組合の事務所として大正13年に建てられました。

なかなかにモダンな建物ですね。

すぐ横には旧醸造工場(大正4年)と煙突(煉瓦造り)があります。

次は、ヒガシマル醤油の蔵を撮ったものです。 先に見えるのは如来寺龍野藩主・脇坂氏の菩提寺)ですね。

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久しぶりに龍野のレトロな町並みを散策して、とても懐かしかったです。

また、高校時代の同級生と語らって楽しい時間を過ごせました。

訪れて本当に良かったです。

最後に一言。 町並みの写真の多くに、電柱や電線が写り込んでいます。

古い町並みに無粋な電柱や電線は似合いません。

重伝建地区の選定を好機として、せめて中心部だけでも電線地中化を行えば、より素晴らしい景観になると思うのですが。

     (龍野、次回に続きます)


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白糸の滝(軽井沢その4)

軽井沢にある「白糸の滝」を見てきました。

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「白糸の滝」は軽井沢以外にも各地にあるようで、数えると15道県18ヶ所ほどにもなるらしい。 その分布は、北海道から大分県までに広がっています。

狭い国土に急峻な山々が連なる日本では、流れる水の様子が白糸や絹糸を垂らしたように見える滝があちこちにあっても不思議ではないですね。

ここ軽井沢にある滝は、落差が3m余り、幅は70mにも及ぶそう。

上流には川がなく、浅間山の伏流水が岩盤の間から湧き出して滝となっているとか。 これを潜流瀑というらしい。

訪れてみると、大型バスで来ている団体客などで結構な賑わいでした。

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ここの滝は湧水だけあって、清冽な水が流れ落ちていました。 水温は年間を通して一定だとか。

滝壺(?)は人工的に整備されて広めで、まるで庭園のような趣が感じられます。 

間近で滝を眺めていると、沢山のマイナスイオンを浴びているようで、とても気持ちが良かったです。

自然のままの豪快な滝も魅力的ですが、女性的な優しさをもつ「白糸の滝」もなかなか風情があって良かったです。

次の写真は「白糸の滝」へと向かうアプローチの途中で撮ったもの。

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勢いよく流れる水を見ていると、とても気持ち良かったです。

軽井沢の人気スポットの一つであるのも、頷ける気がしました。


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「旧軽井沢銀座」あたり(軽井沢その3)

久しぶりに旧軽井沢銀座を歩きました。

旧軽銀座は、旧軽ロータリーから旧碓氷峠方面へと向かうおよそ500mの商店街です。

次の写真は、その中程に建つ「軽井沢観光会館」を撮ったもの。

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もともとは木造2階建ての洋館建築だった軽井沢郵便局(1911年築)を観光案内所に転用していましたが、1995年に旧建物のイメージを残しながら建て替えたものとか。

洋風の外観が特徴的で、今では旧軽銀座のランドマークとなっています。

このあたりは、かつて「中山道」の軽井沢宿があったところ。

その名残りは、江戸時代初期の創業という老舗旅館「つるや旅館」に見ることができます。

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この旅館は、室生犀星芥川龍之介など数多くの文人が宿泊したほか、堀辰雄の小説『美しい村』の舞台となったことなどでも知られています。

今回 訪れたのは秋も深まった時期でしたが、旧軽銀座の商店街ではまだ開いている店舗も多く、人通りも結構ありました。

この商店街は、お洒落な店や建物などが多く、歩いていても飽きませんね。

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そして、いろいろある店舗のなかで個人的に一押しなのが軽井沢彫りの販売店です。

展示されている家具などを見ると、その出来映えに惚れ惚れとします。

また、シンガポール駐在時代によくパンを買いに行った老舗ベーカリー"浅野屋"があって懐かしかったです(シンガポールにも出店していました)。

久しぶりの旧軽銀座歩きは、なかなかに楽しかったです。

 
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晩秋の「ショー記念礼拝堂」あたり(軽井沢その2)

旧軽井沢銀座を旧碓氷峠方面へと歩いていくと、商店街がはずれたあたりに「ショー記念礼拝堂」があります。

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ここは、宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーによって創設された軽井沢最古の教会として知られています。

1873(明治6)年に日本へやってきたショー師は、1885(明治18)年にたまたま訪れた軽井沢の自然や気候が気に入り、毎夏、この地を訪れるようになったそう。

そして1888(明治21)年には、当地に自らの別荘を造りました。

これにより外国人のあいだで、軽井沢の名前が広く知られるようになったといわれています。

このように「ショー記念礼拝堂」は、国際的な避暑地、別荘地としての軽井沢の原点ともいえる場所です。

礼拝堂の周辺は、木立に囲まれた静かな環境で、紅葉もまだ少し残っていました。

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近くには「矢ケ崎川」が流れています。 

川に架かる橋から見る紅葉も素晴らしかったです。

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小さな川ですが、絶え間なく水が流れていて、その水音を聞いているだけで癒されました。

この辺りから「万平ホテル」にかけての散策は、とても清々しくておススメです。


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旧碓氷峠見晴台(軽井沢その1)

晩秋の軽井沢を訪れました。

写真は、旧碓氷峠見晴台からの眺望です。

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碓氷峠は、江戸期の五街道のひとつ「中山道」が通過していた峠で、かつては関東と信越北陸地方とをつなぐ重要な役割を担っていました。

現在は新道が整備されて、この見晴台がある場所は「旧碓氷峠」「旧中山道」と呼ばれています。

見晴台の標高はおよそ1,200m。

結構、高いところにありますね。

期待していた紅葉は時期がやや遅かったのか、わずかに残っている程度でした。

それでも、天気に恵まれたこともあって、浅間山や妙義連峰などの雄大な景色が一望できたので良かったです。

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この見晴台は、ちょうど長野県と群馬県との県境に位置しています。

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県境を示す標識は格好の撮影スポットとなっていて、沢山の外国人観光客などが記念写真を撮っていました。

落葉をさくさくと踏みながら、久しぶりに自然のなかを散策して、心身ともにスッキリとしました。


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青森銘菓「気になるリンゴ」など(青森その6)

仕事柄あちこちに出かけますが、旅先での楽しみの一つに、その土地の銘菓を探すことがあります。

たまたま現地で見つけることもあれば、事前にネットなどで調べてから行くことも多いですね。

今回の青森行きでは予め調べておいた「気になるリンゴ」なる銘菓が、文字通り気になっていました。

JR青森駅の近くにある "A-FACTORY" (観光物産館)に入ってみると、目立つ場所に「気になるリンゴ」が山積みされていました。 

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この菓子はリンゴを丸ごと1個、パイ生地で包んで焼き上げたもの。

リンゴは芯をくり抜き、シロップに浸してあります。 リンゴ王国、青森ならではの豪快な果実菓子ですね。

実際に見るとかなりの大きさで、なかなかのインパクトでした。

自宅に持ち帰って食べてみると、リンゴのしゃきしゃき感とパイ生地とが相まって美味しかったです。

アップルパイとは、また違ったリンゴ主体の味わいでした。

お代は、1個918円(税込み)でした。

この製造元は ”ラグノオささき” (弘前市)で、他にも「パティシエのりんごスティック」や「森ショコラ」などリンゴを使った菓子を作っています。

今回は、これらも合わせて買って帰りました。

観光物産館の "A-FACTORY" で食べた、リンゴシャーベットも美味かったですね。

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いろんなリンゴの種類がありましたが、当方が選んだのは "あかね" 。

かなり酸味が効いたリンゴらしい味で美味しかったです。

旅先では、こうした地方の銘菓を、いろいろ探して食べてみるのも楽しいものです。

 
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