6月に入って東京は曇り空。 いよいよ梅雨本番ですね。
さて、有田内山地区(佐賀県)の続きです。
ここは陶磁器生産の拡大に伴い、江戸初期に形成された製磁町です。
当時設けられていた上の番所から下の番所まで、約2kmにわたって伝統的町並みが続いています。
1991年に国の重要伝統的建造物群保存地区(15.9ha)に選定されたことは、前回記した通りです。
ここには、江戸期から昭和初期まで各時代に建てられた町家や洋館等が数多く残されています。
この地区の特徴は、整然とした町並みではなく、2階建ての町家、3階建ての洋館、陶磁器工場などが混在していることにあります。
確かに、やや雑然とした印象を受けますが、時間をかけて観察すると、とても面白い町並みです。
昔、訪れたときは、前の道路をひっきりなしにクルマが行き交い、観光客が陶磁器店や直売店をハシゴする姿が沢山見られました。
でも、今回は、まち全体がひっそりとした感じで、クルマも人の数も格段に少なくなっています。
店仕舞いした陶磁器店も、あちこちに目立ちます。
陶磁器も不況の影響をもろに受けているのか、やや心配になるほど。
先に訪れた大川内山地区(伊万里)や波佐見(長崎)でも、同じように寂れた印象を受けました。
折角の貴重な歴史文化遺産なので、ヒトの交流をもっと活発化させるために役立てたいもの。
そのためには、地域ブランドをまちづくりと絡めて再構築していくことが肝心だと思います。
地元の人たちと一緒に、振興策を考えてみたいものです。
(佐賀焼き物散歩、続く)