観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

佐賀焼き物散歩No.12(有田・トンバイ塀のある裏通り)

今朝の東京は、気持ちよく晴れました。 梅雨も中休みといったところです。


有田陶磁美術館(佐賀)付近の裏通りには、トンバイ塀が沢山残り独特の景観を生み出しています。


トンバイ塀とは、登り窯を築くために用いた耐火煉瓦(トンバイ)の廃材や使用済みの窯道具、陶片などを赤土で塗り固めた塀のこと。

江戸期、町筋には商家が店を構えたのに対して、窯元は人の通行の少ない裏通りに拠点を置きました。

そして屋敷と仕事場をトンバイ塀で囲んで、製陶技術の流出を防いだと言われています。

下の写真は「辻製磁社」付近の景観です。


「辻製磁社」は、有田内山地区で最も古い約200年前の屋敷で、今でもトンバイ塀を構える数少ない窯元の一つ。

江戸期には禁裏御用(宮内庁御用達)を務めた有田の名窯です。

私が訪れたときは、裏通りを歩くヒトもなく、辺りはひっそりとしていました。

トンバイ塀が続く裏通りは、何故か心が安らぐ感覚があり、とても歩きやすかったです。

久し振りに懐かしい景観に出会ったような気持ちになりました。

                                 (佐賀焼き物散歩、続く)