先般の土日、恒例のB級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」が姫路市(兵庫県)で行われました。
私の故郷の隣町での開催で、取材に行くつもりが、他のフォーラムでの基調講演とかちあって行けなかった。
全く残念です。
今回(第6回)は、出展数63団体、来場者数51.5万人(2日間)と過去最多となったとか。
順位は以下の通りで、「ひるぜん焼そば」(真庭市・岡山県)がグランプリとなりました。
①ひるぜん焼そば 真庭市(岡山県)
②津山ホルモンうどん 津山市(岡山県)
③八戸せんべい汁 八戸市(青森県)
④なみえ焼そば 浪江町(福島県)
⑤今治焼豚玉子飯 今治市(愛媛県)
⑥石巻焼きそば 石巻市(宮城県)
⑦勝浦タンタンメン 勝浦市(千葉県)
⑧十和田バラ焼き 十和田市(青森県)
⑨日生カキオコ 備前市(岡山県)
⑩あかし玉子焼 明石市(兵庫県)
今年の特徴は、岡山県(1位、2位、9位)と、震災被害の東北各県の健闘でしょう。
このイベント、年々盛況になっていきますね。
イベントの集客力という点からみると、全くもって凄いものがあります。
でも、出展する地域の視点に立つと課題がないこともない。
それは、出展した各B級グルメの持続可能性という点です。
例えば、一部で見られる急ごしらえのB級グルメが、どこまで地域住民の支持を得ているか、地元の食材を使うなど地域に経済効果を還元しているか、などが問われてくると思うのです。
それらがクリアされていないと、一過性のブームで終わってしまう恐れがあります。
さらに、これを観光ブランド化へと結びつける場合、もう一捻りしたアプローチ(戦略)が求められます。
食などの特産物ブランドだけでは、旅行者はなかなか訪れてくれない(一度は来ても、リピーターとなってくれない)のが普通です。
それに対応していくには、「観光ブランド=特産物ブランド+文化・環境ブランド」という理解が重要となります。
「観光ブランド化」や「観光まちづくり」の成功は、上記の図式をいかに実現していくかにかかっている、と言って過言ではありません。
大事なことは、特産物(食など)と文化・環境(歴史・文化、町並み、自然など)の両分野で、バランス良く、整合性あるブランド化を進めていくこと。
これに尽きると、私は考えています。
とりわけ食は、ヒトと地域、ヒトとヒトを繋ぐ有力な資源です。
グランプリの順位ばかりに固執して、無理を重ねては元も子もありません。
注目度の高い「B-1グランプリ」だけに目を奪われることなく、地道に地域の活性化やブランド化へと挑戦されることをお勧めします。
なお、食の地域ブランド化については、次の拙著をご参照頂ければ幸いです。
『地域ブランドと魅力あるまちづくり』(学芸出版社)http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-2502-6.htm
(次回は、高岡まち歩きに戻ります)