観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

丹波篠山(兵庫県)まち歩きN0.9(丹波黒大豆)

今日も寒い東京です。

昨日は休日出勤したので、今日は一日のんびりと休養しました。

夕方、散歩がてら駅前の本屋さんへ。 

この本屋さんは小さい店ながら品揃えが面白く、棚を見ていて飽きません。

今日は黒野伸一の小説『限界集落株式会社』を買いました。

過疎地を立て直す逆転満塁ホームランの地域活性化エンタテインメント、という帯に惹かれての購入。

これが、読み始めると結構面白いです。 近いうちに、このブログでも紹介しましょう。


さて、丹波篠山の続きです。

まちなかを歩いていて見かけたのが、丹波黒大豆発祥の碑。


この黒大豆は、篠山発祥の在来種を兵庫県の試験場が「丹波黒」と名付け、米に代わる奨励品種とした高級食材です。

極大粒で皮が薄く、手作業で収穫されるそう。

一方、近年になって県内外の他地域でも多く生産されるようになり、競合上、明確な差別化方策が求められていました。

そのため、篠山市では「丹波」ではなく、あえて「丹波篠山」の名前にこだわることで特産物のブランド化を推進しています。

その成果の一つが、地域団体商標(商標法)に「丹波篠山黒豆」が認定(登録査定)されたこと。

また、2006年から10月上旬を「丹波篠山黒枝豆」の販売解禁日として、イベントを行っています(ワインのボジョレーヌーボーに倣ったもの)。 ちなみに、この黒枝豆はとても美味いです。


さらに篠山市では、ご当地検定として「丹波篠山黒まめ検定」を始めており、「丹波篠山ブランド」への取り組みを加速化させています。


地域の特産物のブランド化には、確かに、これくらいの積極性が求められます。

一方で、地域をブランド化していく場合、特産物(モノ)だけのブランド化では足りないというのが私の持論です。

特産物に加えて、その地域の文化・環境資源をいかにブランド化していくか、が問われてきます。

理想は「特産物ブランド」+「文化・環境ブランド」で「観光ブランド化」を推し進め、究極的に「統合ブランド化」を目指すことです。

ともあれ、特産物のブランド化については、篠山市の進め方が一つの有力な参考事例となることでしょう。

                                            (丹波篠山、続く)