マラッカにあるオランダ広場の背後には、小高い丘(セントポールヒル)が広がっています。この丘の頂上に建つのが、セントポール教会・礼拝堂跡です。
ポルトガル統治時代の1521年に建てられましたが、現在は古びた壁面のみが残されています。
ポルトガル統治の頃、マラッカはキリスト教カトリック派宣教師の活動拠点でした。
しかし、ポルトガルの後にマラッカを支配したオランダ、イギリスは、いずれもプロテスタント派でした。このため、カトリック教会として建てられたセントポール教会は衰退し、朽ち果てるままの悲運に見舞われたとか。
厳しい歴史の現実ですが、この教会跡に立つと、今も荘厳な雰囲気に包まれるように感じます。
教会跡の前庭には、フランシスコ・ザビエルの像が建っています。この像には右手がありません。ザビエルが亡くなった際、ローマ教会に右手を送ったことに倣ったものでしょうか。
当時イエズス会に属したザビエルは、1545年から1552年にかけてマラッカで布教活動にあたっていました。その途中、1549年にはマラッカから日本にも布教に訪れています。
私は、かつて鹿児島に勤務した経験があります。鹿児島ザビエル教会にも何度か訪れたことがあり、この場所にはなにやら懐かしさを覚えました。