アンコール・トムの東端から約1kmのところにあるのが"タ・ケウ"。ピラミッド状に石材(緑砂岩)を積み上げた5塔主堂型のヒンドゥー教寺院です。基壇は東西120m、南北100mで、高さは50mもあり、かなりの迫力と威圧感があります。
造営が始まったのは、11世紀初頭。建設途上で工事が中止され、放置されたまま今日に至っています。このため、他のアンコール遺跡で見られるような彫刻が施されていません。
案内してくれたガイドさんによれば、建設中に中央祠堂に落雷があり、縁起が良くないということで工事を中断、放置したとのこと。全く勿体無い話ですが、カンボジアでは、このような縁起や験をよく担ぐそうです。因みにカンボジアの人たちは、幽霊の存在も信じていると言っていました。
この寺院の最大の特徴(売り)は、何といっても中央祠堂に上がる階段でしょう。
物凄い急な階段で、手摺りもありません。それに一段の高さが、かなりのものでした。何とか中央祠堂まで上がるには上がりましたが、降りには大苦戦しました。ズリズリと尻からズリ落ちてきた感じですね。大袈裟ではなく命懸けの見学でした。因みにガイドさんは、上には登らずに下で待機(=休憩)してました。
念のためですが、中央祠堂から外を眺めた写真を載せておきます。中程の基壇に置かれているのは、工事が中止となり放置された石材です。一体何年間、放置されっ放しなのやら。アンコール遺跡もいろいろあって、なかなかに奥が深いです。