ペタインロード(Petain Road)を歩いていたら、とても綺麗な外観を持つショップハウスに出会いました。プラナカンタイルや柱のレリーフ、窓枠など、ひとつひとつの装飾がとても素晴らしく、建物の美しさに感嘆しました。
かなり大きな建物で、使われているプラナカンタイルも相当な数ですね。
この建物に使われている赤い花柄のプラナカンタイルは、日本の不二見焼製(1925〜35年)とか。もともとプラナカンタイルのルーツは、英国で量産された「マジョリカタイル」です。第一次世界大戦後、欧州でのタイル生産が縮小して日本が生産基地となりました。当時の代表的な生産者は、淡陶社(兵庫・淡路島)や不二見焼合資会社(名古屋)など。安価で高品質な日本製タイルは需要が多く、東南アジアなどに沢山輸出されたそう。シンガポールでも、ショップハウスなどに日本製のプラナカンタイルが多く使われています。
上の写真で、入り口の両脇下の壁に貼られた白い花柄のタイルは、ベルギーのGillot & Cie社製(1869〜1920年)のものとか。
また、柱のレリーフも精巧に造られていて、見応えがありました。
窓枠も凝った意匠で、素晴らしいです。
シンガポールでは、Emerald Hill やJoo Chiat Road 、Balestier Road などに美しいプラナカンタイルを使ったショップハウスが残っていますが、今回紹介した建物も必見ですね。お勧めです。
場所は、リトルインディア地区にあります。
なお、今回の「プラナカンタイル」の説明には、フリーペーパー「AsiaX」2015年10月19日号の「熱帯綺羅」を参照させて頂きました。