観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

松本(信州)街歩き#7(旧開智学校校舎)

唯一の趣味が街歩きで、カメラ片手にあちこち出かけています。街歩きをしていて一番気になるのが、建物とその集合体としての街並みですね。

松本でも、見たい建物が幾つかありました。なかでも、評価が高い旧開智学校校舎は是非訪れてみたい建物でした。

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旧開智学校は、明治9(1876)年に竣工した国内で最も古い小学校校舎のひとつです。

この校舎は、昭和38(1963)年まで約90年間に亘って使われたとか。昭和36年には、近代の学校建築としては初めて国の重要文化財に指定されています。

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構造は、木造桟瓦葺き、寄棟2階建土蔵造りで、中央に「東西南北」の風見を配した八角塔が立っています。和風と洋風が混じり合った擬洋風建築では代表的な建物ですね。

設計と施工を担当したのは、地元の大工棟梁・立石清重とか。当時は西洋建築の知識などさほどなかったはずで、よくぞこのような堂々とした美しい建物が造れたものだと感心します。

建物の玄関の上部には、バルコニーが設けられています。その上屋根に、校名の額を支えるキューピットの姿がありました。その姿と表情が何ともほのぼのしていて良いですね。でも何故ここにキューピットなのかは謎です。

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この建物、とても美しい姿をしていますが、よく見ると玄関を挟んで左右対称ではありません。これは、左右の窓の数が違うことで確認できますね。

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左右対称でなくとも、こんな美しい建物になることに驚きました。

校舎内は、当時の教室の様子などが展示されています。その昔、木造校舎で学んだ身としては、とても懐かしかったです。

教室の窓が小さく感じられますが、これは冬が寒い地域だからでしょうか。

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この旧開智学校校舎、観察するととても興味深い建物で、訪れて本当に良かったです。

パンフレットによれば、国内に姉妹館があるとか。旧開明学校(愛媛県西予市)と旧岩科学校(静岡県松崎町)で、いずれも重要文化財に指定されています。機会を見て、この二つの校舎も見学してみたいものです。