宮島の景観のなかで最も印象深い建造物といえば、なんといっても厳島神社の大鳥居でしょうか。
社殿からおよそ200m離れた沖合に立ち、大きさと形、それに色彩(丹塗り)とが相まって、その姿はこれぞ宮島という輝きを放っています。
現在の鳥居は、創建時から数えて8代目にあたり、1875(明治8)年に再建されたものとか。
高さ16m、棟の長さ24mの両部鳥居(各主柱に2本ずつの控柱が付く様式)は、木造にして国内最大級の大きさ。「日本三大鳥居」の一つに数えられています。
ちなみに、あとの二つは春日大社(奈良)と気比神宮(福井・敦賀)の大鳥居となります。
今回、厳島神社を訪れたのは、ちょうど潮が引き始めた時間帯でした。しばらく待っていると、大鳥居の近くまで歩いていけるほどになりました。そして沢山の参拝客などが、大鳥居に近づいて写真を撮っています。
近くまで行ってみると、その大きさが実感されました。主柱(おもばしら)の根回りは10mほどもあるそうで、なかなかの迫力です。
主柱は、社殿側から見て右側が宮崎県から、左側が香川県から切り出されたクスノキが使われているそう。両柱ともに、1950年の修理時に根継ぎが行われています。
現在の大鳥居は、再建から既に140年以上もの年月が経過していることになります。
木造で海中に立っているので、いくら根継ぎを繰り返したとしても、いつかはまた全面的な再建ということになるでしょう。
そのときに、このような巨大なクスノキが日本国内で調達できるのかどうか、少し心配になりますね(余計な心配かもしれませんが・・・)。
全くの余談となりますが、今年の10月、約300年振りに再建された奈良・興福寺の中金堂では、カメルーン(アフリカ)産のケヤキ材が使われたことで話題となりました。
これから日本では、もっと長期的な視点にたって、木材の育成や調達を考えていかないといけないのでは、と考えさせられました。話が横道に逸れましたね。申し訳ありません。
ともあれ、厳島神社の大鳥居は、立ち姿がとても美しく、時間を忘れて眺めてしまうほどでした。その間に外国人観光客から、カメラのシャッター押しを何度も依頼されて閉口しましたが・・・。