観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

雨の小樽運河を訪ねました(小樽その4)

せっかく訪れた小樽は、生憎の空模様で、時折、雨と風が激しくなりました。

歩くのも億劫なほどでしたが、小樽運河だけはぜひ見ておきたいと、傘が飛ばされそうになりながらも何とか辿り着きました。

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小樽港は、北海道開拓の玄関口として発展してきた港です。

当時、大きな船は沖合に停泊させて、荷揚げは専ら艀(はしけ)を使っていたそう。

その際、荷揚げを効率的に行うには、艀が接岸できる岸をできるだけ長くすることが必要でした。

このために海面を埋め立てることで出来たのが小樽運河ですね。

海面埋め立てで運河を造ったのは、ここ小樽港が国内唯一の事例とか。時は、大正12(1923)年のことでした。

その後、貨物量の減少や道路新設、拡張のために運河の埋め立てが計画され、大論争の末に現在の姿で保存されることになったのが昭和61(1986)年でした。

全長1.1㎞、幅20~40mの小樽運河は、今では、北海道はもとより日本を代表する観光スポットとして知られています。

あの時に、経済合理性だけで運河が埋め立てられていたら、小樽が今ほど観光客を集められたかどうか大いに疑問です。

後付けではありますが、本当に保存されて良かったと思うのは私だけではないでしょう。

雨の小樽運河は、少し寂しげな表情でしたが、観光客なども少なくて、むしろゆっくり見学できました。かなり濡れはしましたが(たまらんですね)・・・。

石造りの倉庫群も、かつて訪れたときの印象のままだったので嬉しかったです。

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観光地の印象は天候によって大きく異なって記憶されますが、小樽運河は雨にも似合う風情がありますね。無理しても、やって来た甲斐がありました。

少し残念だったのは、カメラのレンズが曇ったり、傘が邪魔だったりで、あまりいい写真が撮れなかったこと。次は、出来れば良い天気の日に訪れたいと思っています。


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