伊勢神宮・内宮の鳥居前町(門前町)として栄えてきたのが「おはらい町」です。
もともとは、江戸期に全国を回って参拝客を集めた御師の館が立ち並んでいた通りで、客をお祓いや神楽でもてなしたことから「おはらい町」と呼ばれるようになったらしい。
(なお「御師」は「おし」と読むことが多いですが、伊勢では「おんし」と発音するそう。 その役割は、旅行エージェント兼宿泊業者ですね。)
昭和の高度成長期ごろから寂びれた通りとなっていたのを、ここに本店を構える赤福が中心となり、伝統的な町並みを再生することで賑わいを復活させました。
実際に歩いてみると、当地伝統の「妻入り」の木造建築が立ち並ぶ町並みには、タイムスリップしたような不思議な魅力がありました。
電線の地中化(電柱の撤去)や道の石畳化がなされていて、すっきりとした空間環境となっています。
週末の土日に2回、訪れましたが、通りには沢山の観光客が歩いていて、その活気には驚きました。
写真は「おはらい町」の、ほぼ真ん中にある赤福の本店です。
沢山の買い物客を縫って、なかに入ると、仕切りされた作業場で赤福餅に漉し餡をつける手作業を見ることが出来ます。
なかなかの練達ぞろいで、素早く餡を付ける様子は、見ているだけでも面白かったです。
ここは、赤福が約140億円をかけて新たに造った横丁(鳥居前町)で、伝統的な妻入りの建物や蔵、洋館などが移築や再現などされて立ち並んでいます。
その名称は「お蔭参り(お伊勢参り)」から取ったものだそう。
広さは約4千坪、入り組んだ路地に50店ほどの様々な店舗(特産物、土産、飲食など)が集まっています。 開業したのは1993年とか。
横丁に入ってみると、路地や店には客が溢れていました。 懐かしいブリキや木、紙の玩具なども売っています。
大道芸などのイベントもひっきりなしに行われているので、あちこち見ていると時間が経つのも忘れるほどでした。
大道芸では、久しぶりに見た「バナナの叩き売り」に見入ってしまいました。
ここは本当に楽しくて面白かったです。
いま、全国の各地で「観光まちづくり」が行われていますが、「おはらい町」と「おかげ横丁」は、確かに成功モデルのひとつと言えますね。
ここは、皆さんに見学をお勧めします。