十勝・帯広では、夜の時間を「北の屋台」で過ごすことが多いです。
「北の屋台」は、帯広の中心部にあって、元々は駐車場だった土地を活用して出来た常設の屋台村です。 このブログでも、過去に何度か紹介してきました。
屋台と言っても、水道・電気・ガス完備の固定式厨房を備えた常設店舗ですね。
屋台の数は、20軒。 一つ一つの店舗はおよそ3坪と狭く、客席数は10席ほどです。
このほどほどの狭さが、店主と客、客同士のコミュニケーションを円滑にしてくれます。
今回は、以前から行きたかった「創家(つくりや)」へと入りました。 ここは ”創作和食” と銘打った美味しい魚や野菜などを出してくれます。
いろいろ食べながら、店主や相客(地元の人たち)と十勝の話題などで盛り上がりました。
今回の相客は、畜産農家の農場主や、帯広への転勤族、正体不詳の社長さんなどでした。
昼間の観光だけでは、地元の人たちと親しく話す機会などなかなか望めませんが、この屋台なら初対面でも自然と話が弾みます。 なかなか面白い仕掛けで、地域振興のお手本としても、とても気に入っています。
食べた料理は、次の写真の通りです。 なかでも一枚目の写真にある「つぶ貝」は、新鮮で絶品でした。
あとは、店主が勧めてくれた日本酒が美味しかったですね。
通称「新聞の酒」。 一升瓶が新聞紙で包んであります。
下手な写真ですが、参考までに(感じだけでも)載せておきます。
この酒は「秀峰喜久盛」で、上田(長野県)にある信州銘醸が蔵元です。 やや甘口で、口当たりの良さに降参しました。
「北の屋台」には、もう何度も通っていますが、先般、訪れた博多の屋台と比べずにはいられませんでした。
博多の屋台では、韓国や中国からの観光客が急激に増えたせいか、腰を落ち着けて飲む雰囲気ではなかったですね。 ましてや、店主や相客と会話を楽しむことも難しいし、料理も以前と比べてやや雑になったようにも感じました。
これは、あくまでも私の個人的な印象でしかありません。 でも、観光客が大きく増えてくると、どうしてもオーバーツーリズムの問題が顕在化してきます。
一方、十勝・帯広には、まださほど外国人観光客も増えてはきていないようでした。
仮に「北の屋台」に外国人観光客が押し寄せたとしたら、まず地元の人たちが利用しなくなる可能性が大きいですね。 いわば観光屋台化です。
そうすると、今ある「北の屋台」の良さ(旅行者と地元住民の交流)が、次第に廃れていく恐れがあります。
「北の屋台」の魅力は、地元住民が利用するからこその魅力だと思います。
(なお、この点は全国各地にある市場(いちば)でも同じことが言えます。)
そうなると、たぶん自分も訪れなくなるな、などと余計な心配をしてしまいました。
私の好きな「北の屋台」は、今のままが一番です。
そして、また行きたいところのNo.1は、やはりこの屋台村ですね。