梼原町(ゆすはらちょう)で見たかったものに、千枚田(棚田)があります。
同町の地形は、山間部にあるため平地が少なく、標高も 220m~1,455m とかなりの高低差があります。
このため古くから、自然環境(山の斜面)を活かした稲作農業(棚田)が発達してきました。
なかでも神在居(かんざいこ)地区の棚田は、段状に刻まれた数多くの田んぼをもつことから「神在居の千枚田」として知られています。
1999年には、農林水産省が認定した「日本の棚田百選」にも選ばれているほど。
また、展望台の案内板には、作家の司馬遼太郎が「中国の万里の長城よりも素晴らしい、と自慢したという逸話もある。」との記載がありました。
写真は、神在居地区の千枚田を展望台から撮ったものです。
訪れたのは6月初旬で、ちょうど田植えが終わった頃でした。
畦道を歩きながら、水で満たされた段々状の田んぼを眺めていると、子供のころを思い出したりして、随分と癒されました。
一つ一つの田んぼは小さいのですが、なかには名札が立ててある田んぼがありました。
これは「棚田オーナー」の名札ですね。
神在居の千枚田では、1992年に我が国で初めての「棚田オーナー制度」を開始しています。
四万十川の名前にちなんで、1口(150㎡)4万10円で1年間、田んぼオーナーになれるというもので、都市・農村間の交流モデルとして注目される試みとか。
田植えなどの体験ができるほか、白米30㎏などがプレゼントされるなど、都市住民にとっても面白い企画となっています。
千枚田(棚田)は、食料(コメ)生産の場であるとともに、国土・環境保全にも資するものです。 加えて、その景観美は観光資源としても有用であるなど、地域にとって重要な資源と言えます。
過疎化や高齢化などの影響で、耕作放棄地が増えてきているようですが、何とか将来に亘って保全されていくようにしたいものですね。
私も、美味しい棚田米(水源に近く、水質が良いため美味しいコメが採れる)をゲットすべく、棚田オーナーに応募してみようかと考えています。