観光研究者の街歩きフォト日記

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芝居小屋「ゆすはら座」(高知・梼原その4)

梼原町(ゆすはらちょう)には、古い芝居小屋が保存されていると聞き、見学してきました。

次の写真が、芝居小屋の「ゆすはら座」です。

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戦後間もなくの昭和23(1948)年に、5つの町組(自治会)が中心となって建てられたそう。

当時は、芝居や映画などの娯楽の場「梼原公民館」として、広く地域住民から親しまれていたとか。

ところが昭和40年代後半から次第に使われなくなり、老朽化も進んだことから、昭和62(1987)年には解体が決定されました。 

しかし、地域住民を中心とした保存活動が実り、平成7(1995)年に町役場近くの町有地に修復・移転して今日に至っています。

訪れてみると、外観は和洋折衷の建築様式でやや古びた印象ですが、デザインとしてはモダンで洒落た感じがする建物でした。

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建物内部に入ると、花道が付いた舞台があって、歌舞伎の上演もできる立派な造りとなっています。 2階には桟敷席もありました。

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この「ゆすはら座」は、今では高知県で唯一の木造芝居小屋だそう。

いまでは全国のあちこちで、古い芝居小屋の保存活動が活発化していて、実際に歌舞伎などが上演されるケースも増えています。

梼原町のある四国でも、日本最古の芝居小屋である「金丸座」(香川・琴平町)や「内子座」(愛媛・内子町)が知られていますね。

実際に「ゆすはら座」を見学してみて、想像以上に立派な芝居小屋であったことに驚きました。  保存されて本当に良かったです。

「ゆすはら座」では、現在も芝居や音楽演奏などのほか、神楽舞いなどに利用されているとか。 

今後も、現役の芝居小屋として積極的に活用しつつ、保存していくのが一番良いのではと思いました。


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