観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

旧堀部家住宅(愛知・犬山その3)

犬山の城下町に唯一残る武家風住宅があると聞き、訪ねてきました。

場所は、「名古屋往還」(犬山城下と名古屋を結ぶ街道)へと通じる外堀枡形のすぐ近くにあります。

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ここは犬山藩主成瀬家の家臣だった堀部家の住宅ですね。

余談ですが、犬山藩は江戸期には藩として認められておらず、慶応4(1868)年に新政府から維新立藩として初めて認められました(尾張藩から独立)。 江戸期の犬山城主・成瀬氏は尾張藩の付家老という家格でした。

この旧堀部家住宅は、明治期に入った1883(明治16)年に12代当主が建てたものだそう。

明治維新後の建築ですが、武家屋敷の構えを踏襲して建てられた古民家です。

中に入ってみると、主屋、離座敷、土蔵など沢山の建物があってかなりの広さがありました。

主屋の南側には観賞用の中庭が造られています。 これが農家の造りと決定的に違うところだとか。

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土塀を兼ねた渡り廊下も、長さが約22mあるとかで、なかなかに立派です。 庇が長く出ているので、土蔵などに行く際に屋根付きと同じ役割を果たしているそう。

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興味深かったのが、主屋の座敷にある「電話室」と書かれた扉です。 

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昔は、電話を小さな個室で架けていたのですね。 同じような造りは、私の故郷にある古民家でも見たことがあります。

これら建物は平成18年に、国の登録有形文化財に登録されています。

現在は、市が所有し、民間団体が運営を行っているとか。

はっきり言って、来客には愛想のない(良い印象がない)運営ぶりでしたが、建物自体は自由に見れたのでまあ良かったです(あくまで個人的感想です)。


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