観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

タウシュベツ川橋梁(十勝その3)

念願のタウシュベツ川橋梁上士幌町)を見てきました。

東京から出発する前に、ガイドツアーに申し込むべく電話したのですが、当日はすでに予約で満員でした。

残念でしたが、今年は渇水で、糠平湖にほとんど水がなく、展望台からでも十分にその姿を見ることが出来ました。

写真は、国道273号から少し入ったところにある展望台から撮ったものです。

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タウシュベツ川橋梁(全長130m)は、糠平湖(上士幌町)にあるコンクリート製のアーチ橋ですね。

この鉄道橋は、昭和14(1939)年に、旧国鉄士幌線が十勝三俣駅(終点)まで延伸された際に、タウシュベツ川に架けられたものです。

ところが、昭和30(1955)年に糠平ダム(発電用)が建設され、旧士幌線の新線切り替えとともに、この鉄道橋は湖底へと沈むことになりました。 

人造湖である糠平湖は、季節によって水位が変動して、その度にこの鉄道橋が見え隠れすることから「幻の橋」と呼ばれています。

例年、6月頃から沈み始め、10月頃には完全に水没し、再び現れるのは1月頃だとか。

今年は特に雪や雨が少なかったそうで、私が訪れた6月中旬に湖にはほとんど水がない状態でした。

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次の写真は、展望台の様子を撮ったものです。

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展望台には、さほど人が多くなくて、ゆっくりと見学することが出来ました。 外国人観光客が何組か来ていて、日本人(ガイド?)の説明を熱心に聞いていたのが印象的でした。

今回は、幸いにも橋の全体を見ることが出来ましたが、渇水などの気候変動は何かと心配になりますね。

また、この鉄道橋は、過酷な自然(水没、凍結・融解など)に晒されていることから、損傷や崩落の恐れがあると心配されています。

財政面などで保存活動も大変だとは思いますが、何とか後世へと残していって欲しい歴史的遺産だと思います。

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なお、タウシュベツ川橋梁は他の橋梁群とともに「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として北海道遺産に選定されています。

 次の写真は、展望台に向かう途中で撮った旧士幌線の線路跡です。

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明るい陽射しのなか、森の先まで続く線路跡と木々の新緑が素晴らしい景観を作り出していました。

親子連れの野生鹿が現れましたが、すぐに姿を消してしまいました。

写真が撮れず残念です。

 
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