観光研究者の街歩きフォト日記

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アンコール遺跡見て歩き#17(巨樹と神秘性のタ・プローム)

アンコール遺跡のなかでも、とりわけ特異な状態に置かれているのが"タ・プローム"です。アンコールの多くの遺跡で修復作業が進められていますが、ここ"タ・プローム"は樹木の除去や建造物の修復がなされないまま現在に至っています。

ここでは、大自然の力が人工的な建造物を押しつぶしていく様子が目のあたりにできるとのこと。ぜひ自分の目で確かめたいと思い"タ・プローム"を訪ねました。

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"タ・プローム"は、1186年の創建時には仏教寺院でしたが、後にヒンドゥー教へと改宗されたとか。

東西1,000m、南北700mの周壁に囲まれた敷地には、かつて5,000人ほどの僧侶と600人ほどの踊り子が住んでいたと伝えられています。

アンコールが衰亡して、この寺院も密林に埋まりました。そして、その長い眠りから目覚めたときには、寺院の建造物がスポアン(ガジュマル)の巨木に押しつぶされそうになっていたそう。

入り口はアンコールでは珍しく苔むして、荒れた様子でした。

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遺跡の内部は、かなり崩壊が進んでいます。

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巨樹が建造物を押しつぶす様子は衝撃的でした。大自然の力の凄さを実感しますね。

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でも間近に身を置くと、他にはない神秘的な雰囲気が感じられて、とても魅力的な遺跡でした。

これを今から修復することは、とても難しいでしょう。でも、このまま放置して崩壊してしまうのは如何にも勿体無いです。何とか現状を維持出来ないものかと強く思いました。


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