これまで何回かにわたって、京都の水についてレポートしてきました。
三方を山で囲まれた京都盆地の地下には、琵琶湖の水量に匹敵するほどの地下水(211億トン)が眠るといわれています(楠見晴重関西大学教授の調査による。同教授は、これを ”京都水盆 ” と名付けました)。
水に恵まれた京都ですが、飲料水や景観の一部に使われるだけではありません。
これまで水に関連する伝統産業等を数多く生み出してきました。
茶道の三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)が、京都に家元をおいているのも水との関わりが大きい。
このほか、染物、清酒、料理、和菓子、豆腐、生麩、湯葉、漬物など、数え上げればきりがないほど。
京の伝統野菜(賀茂なす、九条ねぎ、堀川ごぼう等)も当地の水の恩恵を受けた特産物ですね。
このブログで紹介した「京都三名水」や「納涼床」「錦市場」なども水と関係が深いものです。
こう考えると、京都ブランドの魅力の多くは、良質で潤沢な水資源の上に成り立っているといえます。
京都の魅力の間口の広さ、奥行きの深さは水から来ている。
今回の旅では、改めてこの点を実感しました。
写真は、祇園の白川を撮ったものです。
上流の地質が花崗岩で、川底の砂が白いうえ、流れも白濁して見えることから白川の名前が付いたとか。
ここ祇園で鴨川と合流します。