観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

京都まち歩き#6(豊国神社、新日吉神宮)

寒い日が続く東京です。三連休の初日は、自宅でゴロゴロとしていました。写真を撮りに出かけたいのはやまやまですが、寒さが大の苦手なので如何ともなりません。

さて、今回も京都まち歩きの続きです。

JR京都駅近くで、どこか訪れようと地図を見ていると、豊国神社にはまだ参拝したことがないことに気づきました。

そこで、京都駅からテクテクと歩いてみることに。途中、高瀬川や鴨川を渡ったりで、飽きることはなかったですね。

写真は豊国神社の入り口です。なかなか立派な造りです。

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豊国神社のご祭神は、よく知られた豊臣秀吉。今では出世開運のご利益で、広く信仰を集めています。

でもこの神社、かつて豊臣家の滅亡とともに一度、廃祀された歴史があります。

その後、明治天皇の勅命によって再興されることになり、1880(明治13)年、現在地に社殿が再建されました。

ちなみに、現在地は方広寺大仏殿があった場所とか。いまでも、お隣には方広寺があります。

写真は豊国神社の唐門(国宝)です。

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もともとは南禅寺塔頭・金地院にあったものを移築したものとか。伏見城の遺構とも言われていて、桃山期建造物の傑作ですね。意匠の豪華さに目を奪われるほどでした。

次は、拝殿と本殿(奥)を撮ったもの。

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こちらは一転して落ち着いた意匠です。神域はかなりの広さがあり、本殿は奥まって建っていました。

続いて訪れたのは、新日吉神宮(いまひえじんぐう)です。

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ここは後白河上皇によって創建された古社。日吉大神と後白河上皇を祀るので「神宮」と名乗っています。

ちなみに「神宮」は、天皇などの皇族をお祀りしている特別な神社のこと。「神宮」は全国に25ヶ所しかないらしい。

ここ新日吉神宮は、酒造、医薬、縁結びのご利益で信仰さています。場所は、京都女子大学のすぐ近くにあります。

訪れたときは参拝者も少なく、ゆっくりとお参りが出来ました。

本堂の両脇には神様の使いである"狛猿"がいます(写真の通り)。

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珍しい"狛猿"ですが、金網で保護されていて写真が上手く撮れませんでした。

新日吉神宮のように、世間にはさほど知られていない寺社などを探して訪れるのも、京都の面白さと言えますね。

一人での古都のまち歩きは、なかなか楽しいものです。

   (京都まち歩き、続く) 


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京都まち歩き#5(夜の八坂神社あたり)

昨日(4日)は仕事始めでした。朝の通勤電車は、いつもより空いていました。今週一杯は、正月休みの会社が多いのでしょうか。

さて、今回も京都まち歩きの続きとなります。

所用で出かけた京都で漸く自由時間となったのは、夜の21時頃。そのまま宿舎に戻るのも勿体ないので、八坂神社にお参りすることにしました。

この神社はいつも開放されているので、散歩がてら夜にお参りすることが多いです。

写真は八坂神社の西楼門。ライトアップされた朱色が鮮やかで、とても綺麗でした。

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八坂神社は、京都盆地の東の外れ、四条通りの突き当たりに鎮座する古社ですね。全国2300社におよぶ"祇園さん"の総本社でもあります。

この西楼門は1497年の建築で、国の重要文化財に指定されています。元々は、もう少し向かって右手の方に建てられていたそう。市電の開通時に四条通りが拡幅されたので、通りの正面となるように現在地へと移築されたのだとか。

景観に配慮する京都らしさが、とてもよく出た話ですね。さすがです。

境内は暗くて、漸く撮れたのが次の写真です。

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本殿の前にある舞殿には、沢山の提灯が並んでいて壮観でした。

次の写真は石塀小路を撮ったもの(やや暗いですが・・・)。

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石塀小路は八坂神社を南に下がり、高台寺へと向かう途中にあります。ここが出来たのは、さほど昔の話ではないらしい。

道に敷いてある石畳は、市電が廃止された後の石材を持ってきたものだそう。それにしても、今ではなかなか良い雰囲気の小路となっています。

ここを過ぎて、さらに少し南に下ったところにあるのが"八坂の塔"です。

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法観寺臨済宗建仁寺派五重塔で、1440年に足利義教が再建したものだとか。その高さは46m。国の重要文化財ですね。

この塔は周辺のランドマークとなっていて、今では東山の景観に欠かせない風景となっています。

夜はライトアップされていて、坂道の下から見上げる景観が何とも言えず良かったです。

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京都の夜のまち歩きは、昼間とは少し違う風景が見られて結構楽しいですね。

今回最後の写真は、祇園の白川べりで見た紅葉です。訪れたのは師走も半ばでしたが、まだ結構綺麗でした。

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(京都まち歩き、続きます)


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京都まち歩き#4(御香宮神社ほか)

今日で正月の三が日もお仕舞いです。明日は仕事始め。やや憂鬱な気分でもありますが、何とか元気に頑張りたいと思っています。

さて、今回も京都は伏見地区まち歩きの続きとなります。

伏見桃山駅京阪電車)の東側、近鉄京都線を超えてすぐのところに御香宮神社があります。

写真は、その表門です。

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なかなか立派な造りですね。鳥居が見えますが、その先に拝殿と本殿があります。

この神社は、伏見地区の産土神として敬われています。安産の神様である神功皇后をはじめ、六神をお祀りしています。

下の写真は、拝殿です。

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これもまた、立派な建築物です。この建物の見どころは、極彩色の唐破風彫刻ですね。確かに色鮮やかで豪華な彫刻が施されていました。

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御香宮神社の名前の由来は、862年に時の清和天皇から賜わったものとか。境内から良い香りの水が湧き出し、それを飲むと病が治ったという伝承が伝わっています。

この神社の境内から湧き出る水は、名水百選(1985年に環境庁が選定)にも選ばれています。地元の人たちが汲みにやって来るほどだとか。

名水が家の近くにあるとは全く羨ましい限りです。

せっかく参拝したので、この神社でも御朱印を頂いて帰りました。

あと、伏見に来たので備忘録的に寺田屋について書いておきます。

寺田屋は、幕末に2度の寺田屋事件があったことで有名です。特に、1866(慶応2)年に伏見奉行が坂本龍馬を襲った騒動は広く知られています。お龍さんの機転で、龍馬は辛くも一命を取り留めた事件ですね。

その寺田屋があった跡は、現在、公園(庭園)として整備されています(写真の通り)。

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騒動のあった寺田屋の建物は、1868(慶応4)年の鳥羽伏見の戦いで焼失したのが、どうやら史実のようです。

ところが、この公園の隣には木造建築の寺田屋が宿屋として営業しています。当時のまま残されたとされる内部の見学も出来るようです(騒動の際についたとされる刀痕や弾痕などが見られるようです)。

でも、ネットなどでは、この建物は後に隣接地に再建されたものという説がもっぱらです。ということで、真偽のほどは不明としても、今回、建物内部の見学はパスしました。ちなみに、建物は次の写真の通りです。

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  (京都まち歩き、続く)


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京都まち歩き#3(伏見の酒蔵)

新しい年が明けて、はや2日目。朝からTVで箱根駅伝大学ラグビーなどを観て過ごしました。このままノンビリとしていたら、あっと言う間に三が日が終わりそう。明日からは、もう少し計画的に時間を使わないと、と思っています。

さて、今回も京都まち歩きの続きです。

伏見稲荷大社にお参りしたあとは、再び京阪電車に乗って伏見桃山駅まで行きました。

伏見と言えば、清酒と酒蔵の街ですね。

写真は、濠川沿いに建つ酒蔵を撮ったものです。訪れたのは師走の半ばでしたが、まだ紅葉が残っていました。

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この辺りは、よく知られた風情ある景観ですね。でも、訪れたのは寒い日で人影もまばら。おかげで、ゆっくりと写真を撮ることが出来ました。

ここは、かつて辨天浜(伏見浜)と呼ばれた荷揚げ場とか。

往時は三十石船が行き交い、大阪との間で酒、米、薪炭などの物資のやり取りをしていたそう。このため、あたりには問屋や酒蔵、宿屋などが軒を連ねていたらしい。

伏見はかつて"伏水"とも書かれたそうで、質の良い伏流水が豊富なことから酒造業が発達しました。

現在も月桂冠や黄桜、松竹梅などの酒造メーカーが立地しています。

その街並みは、こんな感じです。

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なかなかの風情ある街並みですね。

大手の酒蔵では、酒造りの資料館を持っていて一般公開しています。

写真は、黄桜の資料館です。f:id:kaz-sasaki:20180102185454j:image

内部の展示物は、こんな感じでした。

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黄桜の資料館内には井戸があって、外から一般の人が水を汲みにやってくることもあるとか。

京都盆地の地下には、良質の地下水が豊富に蓄えられています。この水の良さが、京都に美味しい料理や酒を生み出す源泉となっています。

地域おこしを考える際に、水の質と量が決め手となることが多いのは、私もよく経験するところです。この点で、各地の料理だけでなく、酒蔵などを地域再生に活用していくことは、とても有効だと思っています。


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京都まち歩き#2(伏見稲荷の千本鳥居)

新年明けましておめでとうございます。

3年ぶりに日本でお正月を迎えました。シンガポールに住んでいた昨年までは、淡々とした年明けでしたが、今年は初詣にでかけたり、お雑煮を食べたりと久しぶりに日本らしいお正月を過ごしています(シンガポールでは旧正月がメインのお祝いでした)。

今年も各地の"まち歩き"を続けていきたいと思っていますので、何卒宜しくお願いいたします。良い写真が掲載出来ると嬉しいのですが。

さて、京都は伏見稲荷大社の続きです。

本殿にお参りをしたあとは、"お山めぐり"で稲荷山の頂上を目指しました。

"お山めぐり"での一番人気は、何と言っても"千本鳥居"ですね。

まずは、その写真から。

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ここは外国人観光客に人気のスポットで、訪れた日も沢山の人たちが行列して歩いていました。この写真は、人波が途切れた一瞬を狙って撮ったものです。

鳥居のすき間から光が射し込む様子は、何とも神秘的でした。

この場所は、丁度、鳥居が二列に並んでいて一方通行となっています。

二列の鳥居は、こんな感じで並んでいました(写真は、二列並んだ鳥居の間を撮っています)。

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トンネルのように連なる"千本鳥居"の景観は、まさに圧巻かつ幻想的ですね。

鳥居は、神様の降臨地である稲荷山の入り口近くに沢山建てられています。これは、現世から幽界へと続く門としての役割を担ったものらしい。

鳥居は江戸期から沢山、寄進され始めたようで、稲荷山全体では1万基ほどもあるようです。

"お山めぐり"の様子は、次の写真のようです。中腹あたりになると、参拝者の数もかなり減ってきました。

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稲荷山の頂上は、一ノ峯で標高233mとか。途中には、茶屋があるので休憩しながら上ることが出来ます。久しぶりにかなり歩いて、気持ち良かったですね。

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頂上には、お社が祀られていました。

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お社がある辺りは、こんな様子でした。

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いかにも神様が鎮座されているような雰囲気でした。

なお参考までですが、鳥居を寄進する際の奉納料は、次の写真の通りです。

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(京都まち歩き、続く)


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京都まち歩き#1(伏見稲荷大社)

公私ともにバタバタしていて、久しぶりのブログ更新となりました。

気がつけば今日は大晦日シンガポールから帰国して、はや半年が過ぎました。時間が経つのは速いものです。

師走の慌ただしいなか、所用があって京都に出かけてきました。海外にいたこともあり、京都を訪れるのは本当に久しぶりです。

所用の合間を縫って、伏見稲荷大社にお参りしてきました。

伏見稲荷に行くには、京都方面からは京阪電車JR奈良線の利用となります。今回は、京阪電車伏見稲荷駅まで乗車しました。駅を降りると、そこはもうお稲荷さんワールド。駅では白狐が迎えてくれました。

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改札を出たところ(駅構内)にあるのが「千本いなり」。いなり寿司の専門店ですね。

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ここでは、定番の"わさびいなり"をゲットしました。一個129円(税込)。揚げも、具も上品な味付けで美味かったです。これはオススメですね。

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駅を出てすぐの裏参道から伏見稲荷を目指します。

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参道には色々な店や屋台が並び、参拝客も凄い人出で大賑わいでした。

中国人や韓国人、それに西洋人などの外国人観光客が多かったですね。京都も外国人観光客が増えているとは聞いていましたが、これほどまでとは思わなかったです。日本人より外国人の参拝客の方が多いのでは、と思うくらいでしたね。

下の写真は、楼門です。豊臣秀吉が寄進したものとか。朱色がとても鮮やかでした。両脇の神狐の像も、なかなかに凛々しくて立派でした。

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伏見稲荷大社は、全国各地に3万社ほどあると言われる稲荷神社(お稲荷さん)の総本宮です。古くより商売繁昌の神様として敬われています。

次の写真は、本殿です。装飾が綺麗で、とても華やかな印象でした。

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本殿の両脇にも神狐が控えていました。狐は稲荷神のお使いとか。鍵や玉などを持つ姿は気高さすら感じられます。

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お参りしたあと、御朱印をいただきました。その近くにあったのが次の写真です。

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伏見稲荷の絵馬は、鳥居の形をしています。その朱色が何とも鮮やかで綺麗でした。

この先は、稲荷山のお山めぐりとなります。千本鳥居で有名ですね。その様子は、次回に綴ることとします。

    (伏見稲荷大社、続く)


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斑鳩寺#2(兵庫県太子町に帰省、その2)

東京の天候は、ここ両日、真冬の寒さとなりました。昨日から出勤時にコートを着始めました。寒さが大の苦手なので、これから暫くは辛い季節となりそうです。

さて、先週末に帰省した太子町(兵庫県)にある斑鳩寺(いかるがでら)の続きです。

写真は、聖徳殿の中殿と奥殿(八角堂)です。八角形の三重屋根が、なかなか優美な造形を形作っていますね。

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このような優雅さをもつ建築物が、我が出身地の田舎町に存在するとは、今更ながら不思議に思いました。

これらの建物(聖徳殿の中殿と奥殿)はさほど古くはなく、明治43年から大正3年にかけて増築されたものだとか。ただし数年前には、登録有形文化財に指定されています。

訪れた日の境内では"骨董市"が開かれていました。この市は、定期的に開催されているようです。

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出店数は、それほど多くはなかったですが、風情が感じられてなかなか良かったです。

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斑鳩寺で一番の建物は何と言っても、この三重塔ですね(前回の記事で紹介しました)。国の重要文化財に指定されているこの塔は、確かに一見の価値があります。

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また、まちなかを歩いていると、こんな道標があちこちにありました。

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どうやら最近、設けられた道標のようです。これは歴史的まちづくりの一環のようで、街歩きの楽しみや地域住民の意識向上などに一役買うのでは、と思いました。

今回、最後の写真は、太子町のマンホール(蓋)です。ここの町花は"ひまわり"と"山茶花"とか。

マンホールの蓋のデザインは、沢山の"ひまわり"をあしらったものでした。

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我が故郷の太子町も、せっかくの歴史的遺産を有効に活用して、沢山の人たちが外から訪れるような町づくりを積極的に進めて欲しいと思います。

 (斑鳩寺は、今回でお仕舞いです)


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