何日か前のブログで、旧国鉄士幌線の「タウシュベツ川橋梁」について、写真と記事をアップしました。
今回は、同廃線跡に残る他のアーチ橋梁について書いてみたいと思います。
昭和62(1987)年に廃線となった旧国鉄士幌線のアーチ橋梁群は、上士幌町が平成10(1998)年に34のアーチ橋と線路跡を取得することで解体されずに残りました。
今では、5つのアーチ橋と1つのトンネルが「国の登録有形文化財」となっているほか、アーチ橋梁群が「北海道遺産」へと選定されています。
写真は、「第三音更川橋梁」です。
元小屋ダム湖の峡谷に架かる全長71mの4連アーチ橋ですね。
昭和11(1936)年の築造で、国の登録有形文化財となっています。
写真では分かりずらいですが、10mアーチ2連、32mアーチ1連、19mアーチ1連で構成されています。 32mアーチ橋は、北海道で一番長いRC造鉄道橋だったとか。
私が見学したなかでは、「タウシュベツ川橋梁」に次いで美しい鉄道橋だと思います。
次の写真は、「第六音更川橋梁」です。
長さ96mの巨大な橋梁で、昭和13(1938)年に築造されたもの。
この橋も、国の登録有形文化財です。
国道273号沿いにあって、糠平湖の岸辺まで降りて見上げることが出来ます。
周囲の険しい崖や新緑とのコントラストがダイナミックで、力強さを感じさせる橋梁でした。
訪れた時には湖に水がほとんどない状態で、遠く「タウシュベツ川橋梁」が見えたことが印象に残っています。
続いては、「五の沢橋梁」です。
昭和30(1955)年築で、長さはわずか7mしかありません。
小ぶりな鉄道橋ですが、下を流れる川岸まで降りて見学してきました。
線路跡や新緑の森と上手く溶け合っていて、とても綺麗な景観を作っていました。
この辺りは線路跡を歩けるので、森林浴に格好の場所だと思いますね。
最後の写真は、「第五音更川橋梁」です。
昭和13(1938)年築で、長さは109mもある大きなアーチ橋です。
10mのコンクリートアーチが連続し、音更川を跨ぐところは23mのアーチが架けられています。 これも国の登録有形文化財ですね。
この橋をもっと近くから見ようと、森のなかの遊歩道を進んでみましたが、木々に遮られてよく見えませんでした。 上の写真は、国道273号にある滝の沢橋から撮ったものです。
このほかにも、幾つかの鉄道橋を見て歩きました。 一度に、こんなに沢山の橋梁を見たのは初めての経験でしたが、とても興味深く、面白い経験ができました。
廃線好きの鉄道ファン(鉄ちゃん、鉄子)の気持ちが、少しは理解できたように思います。
これらのアーチ橋梁群は、貴重な歴史遺産(鉄道遺産)です。 財政上や技術面などで課題は多いかと思いますが、ぜひ、後世まで残していけるように保存をお願いできればと思います。
ここには、また季節を変えて訪れてみたいですね。