宮崎県南部の油津(日南市)を訪れました。
今回は、講演で訪れた宮崎市内から少し足を延ばしてみました。 油津を訪れるのは、これが初めてです。
ここ油津は、太平洋に面した天然の良港として、中世には南蛮貿易の拠点として栄えたところ。
伊東氏飫肥藩(5万1千石)の領地となった江戸期には飫肥杉(おびすぎ)の積み出し港として大いに繁栄し、今もその面影が残されています。
飫肥杉は、樹脂を多く含む良質の木材(主に造船用)として日本各地に出荷されていました。
写真は、堀川運河を撮ったもの。
この運河は、1685年に飫肥藩が特産である飫肥杉の船積み用として造りました。
幅員が27m、深さが3mあって、延長は約900mという立派な運河です。
江戸期には、飫肥杉を満載した沢山の筏(いかだ)が下っていったとか。
今は往時の賑わいはなくなり、静かな港町の風景となっています。
次の写真は、堀川橋を撮ったもの。
堀川橋(通称:乙姫橋)は、堀川運河に架かる石造りのアーチ橋(眼鏡橋)です。
明治36年の築造で、長さは21m、幅員は6mほど。
橋の向こうには吾平津神社(乙姫神社)があって、その参道橋の役割も担っています。
石橋の架橋により取付道路が嵩上げされた結果、運河沿いの家は二階を出入り口とする造りとなったそう(上の写真の通り)。
現在は、国の登録有形文化財に指定されています。
油津は、日本の伝統的な町並みの良さを凝縮したような場所ですね。
時折、自転車などで地元の人たちが通り過ぎる様子を見ると、とても懐かしさを覚えました。
はるばると油津までやって来た甲斐がありました。 ここは、本当に風情のある素晴らしい町並みだと思います。
(油津、次回に続きます)