開聞岳周辺を歩くなら、ぜひ訪れたいのが「牧聞神社」(ひらきき・じんじゃ)です。
場所は、指宿市開聞十町にあって、前回紹介した「唐船峡」の近くとなります。
この神社は、薩摩国の一宮(いちのみや)ですね。
創建時期は、社伝でも不明なほど古いそうで、薩摩国を統治していた島津氏の崇拝がことのほか厚かった神社だとか。
もともとは開聞岳をご神体とする山岳信仰に根差した神社だったらしい。
現在は木々が繁って見えませんが、本殿の真後ろに開聞岳がくるように建物の配置がなされているそう。
実際にお参りすると、朱塗りの社殿は、とても鮮やかで立派なものでした。
本殿の前にある勅使殿と、その左右の長庁が、とても特徴的な建物でした。
ここでも御朱印をいただいてきました。
なお、一宮(いちのみや)とは、令制国(りょうせいこく)で社格が一番高いとされている神社のことです。
ちなみに令制国は、かつて律令制に基づいて設置されていた地方行政区分のこと。
全国に68の令制国が置かれたので、一宮も同数あることになります。
ただし、薩摩国では「牧聞神社」と「新田神社」(薩摩川内市)の二つが一宮とされています。
かつては、その座を巡って両神社が激しく競ったこともあるらしい。
一宮と聞けば、ご利益がありそうで、つい訪れたくなりますね。
私の専門分野(地域ブランド論)で解釈すると、これもランキングを活用したブランド力の一つであり、人を惹きつける魅力の源泉だということになります。