名古屋市西区・堀川の西側に広がる四間道(しけみち)界隈は、戦災を免れたことから昔ながらの商家や町家が残っています。
四間道の町並みを歩いていると、古い民家の屋根に祀られている屋根神様を見つけました。
写真は、中村家の住宅です。
建物に掲示されていた案内板によれば、中村家は築200年といわれる旧家で江戸時代の商家の佇まいをよく残しているとか。
屋根神様は、名古屋周辺の独特の風習で、津島神社、秋葉神社、熱田神宮の三社をお祀りしているそう。
これら三社で、疫病除け、火難除けなどのご利益を祈願しています。
かつては、三社の祭礼時に合わせて紫色の幕をはり、お神酒や野菜などを供えていたらしい。
それが廃れ始めたのが昭和30年代だとか。 日本が高度成長期に向かって、まっしぐらに走りはじめた時代ですね。
この屋根神様は、この界隈でもあちこちに祀られていたそうですが、今は数えるほどになってしまったそう。
当日も界隈を歩いていて見つけたのは、上で紹介した中村家のものと、次の写真のものの二つだけでした。
この家は古道具屋さんですね。 なかなかに味がある建物です。
この地方独特の風習である屋根神様は、町家などとともに何とか後世へと受け継いでいって欲しいと思います。