鹿児島中央駅は、鹿児島の陸(鉄道)の玄関口ですね。
かつて転勤で当地に住んでいた頃は、まだ「西鹿児島駅」という名前でした。
この旧駅名は、かつてのブルートレインの利用客やファンにとっては終着駅として馴染んだ、とても懐かしい名前だと思います。
駅名が変更されたのは2004年(平成16年)で、九州新幹線が鹿児島乗り入れを実現したのと同時でした。
その時に新しい駅舎や駅ビルが整備されました。
久しぶりに訪れた鹿児島中央駅周辺は、インバウンド効果もあってか結構な賑わいでした。
駅ビル(アミュプラザ鹿児島)の屋上に設置されているのは、観覧車「アミュラン」です。
直径が約60m、最大高は約91mもある観覧車で、今では市内のランドマークとなっています。 一周約14分強で回り、料金は大人500円とか。
出来たばかりのころに一度乗ったことがありますが、桜島などが間近に見える眺望は何とも素晴らしかったです。
駅前には、幕末から明治期にかけて活躍した人々の銅像が建っています。
これは慶応元年(1865年)に英国へと渡った薩摩藩留学生17人の「若き薩摩の群像」ですね。 高さは約12mあって、駅前でよく目立っていました。
17人の中には、森有礼や五代友厚など維新後に活躍した人たちが多く含まれています。
銅像が完成したのは1982年(昭和57年)。 作者は彫刻家の中村晋也(元鹿児島大学教授)で、中村は甲突川河畔に建つ大久保利通の銅像も制作しています。
ところで、地元の人たちに聞くと、少し前まで鹿児島市内の中心は天文館地区だったのが、新幹線開通や駅周辺の再開発によって賑わいが中央駅周辺へと移ってきているとか。
確かに転勤で当地に住んでいたころは、買い物や飲食、ビジネスの中心といえば天文館でした。 百貨店は地元の山形屋のほか三越もありましたしね(三越は平成21年に閉店)。
街は生き物なので、時代の流れによって盛衰を繰り返します。
これは世界中の都市に共通して言えることでもあります。
鹿児島もその例外ではないので、街の重心が従来の繁華街から移動していくことも大いにあり得る話です。
それでも、歴史や伝統が息づく昔ながらの街の魅力というのは、なかなかに色褪せるものではないと思います。
その魅力をどうやって維持・増進させて、人々にアピールしていくのか、これからも定期的に鹿児島を訪れて観察していきたいと思っています。