観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

東京大神宮に参拝しました(千代田区)

この三連休は自宅でのんびり過ごしました。ただ最終日は、台風一過の素晴らしい天気に誘われ、以前から気になっていた東京大神宮へと出かけました。

新宿駅から久しぶりにJRの黄色い電車に乗って飯田橋駅で下車。まずは、神楽坂に立ち寄って、昼食を摂りました。

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この街は、坂や露地が微妙に入り組んでいて面白そう。時間をとって、一度ゆっくりと歩いてみたいですね。

今回は、話によく聞く東京大神宮に初めてお参りしてきました。

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明治13(1880)年創建のこの神社は、近年、縁結びの神様として若い女性を中心に絶大な信仰(人気)を集めています。

訪れたときも、次々と女性やカップルの参拝客が訪れていました。噂に違わず、凄い人気ですね。

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創建は明治期で古社ではありませんが、「東京のお伊勢様」と敬われています。

また、わが国で初めて神前結婚式を行なった神社だとか。

さほど規模は大きくはないですが、境内には清々しい雰囲気が漂っていました。

今回は、朱印帳を忘れなかったので、お参りしたあと御朱印をいただいて帰りました。

以前から、どんな雰囲気の神社か気になっていたので、今回、お参りできて良かったです。

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松本(信州)街歩き#9(マンホールのデザインなど&旅の終わり)

1泊2日での松本の街歩きも、そろそろお仕舞いです。

街なかの何処からでも高い山が見え、清涼な湧水が湧き出る環境は、まるで別世界のようでした。

それに街全体に文化的な香りが漂っているのもいいですね。

これまで松本は、周辺の山や高原、温泉などへの通過点という印象を持っていました。でも今回久しぶりに訪れて、このような街なら、また来てみたいと思いました。

観光振興の要諦は、いかにリピーターを増やすかにあります。この点で、松本には"また来てみたい"と思わせるだけの魅力が備わっていますね。

今ある資源を大切に活用し、一層の磨きをかけていけば更に素晴らしい街になると思います。

最後に、今回の街歩きで撮った写真を3枚載せます。

一枚目は、マンホールの蓋です。

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当地の伝統民芸品「松本手まり」がデザインされています。綺麗なカラーの蓋ですね。色違いのものもあって、街歩きが楽しくなりました。

海外では、こんな洒落たマンホールの蓋はありません。日本では、各地で特色あるデザインのものを作っていますが、松本のものは多様な色遣いでセンスが良いですね。感心しました。

二枚目は、円筒型ポストがある風景です。

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円筒型ポストは、昭和24(1945)年から昭和45(1970)年頃まで使われていました。

今では現役のものが少なくなっていますが、松本では結構見かけることが出来ました。これは、まだまだ、活用していって欲しいですね。なかなか絵になります。

三枚目は「本町えびす」です。

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JR松本駅の東400mにある道標です。

駅から来て、ここを左に曲がれば松本城に至ります。

市内には他にも道標があちこちにありますね。これらは実用面はもとより、街並みのアクセントとしても有用だと思います。

松本の街歩き、かなり歩きましたが、飽きるどころか結構面白かったです。皆さんにも、是非お勧めしたい街ですね。

最後に、お堀に浮かぶ松本城の写真を一枚貼って、当地とお別れします。ここには機会をみつけて、また来たいと思います。

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松本(信州)街歩き#8(印象に残った建物)

今回は、街歩きのなかで印象に残った建物を三つほど追加的に紹介したいと思います。

ひとつ目は、旧司祭館です。

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フランス人神父・クレマンによって建設された宣教師用の住居で、明治22(1889)年に竣工したものとか。アーリー・アメリカン様式を備えた下見板張りの本格的な西洋館です。写真では見えないですが、裏手には1、2階ともにベランダが造られています。縦長の窓にも特徴がありますね。

壁面はブルー系の綺麗なペンキが塗られ、グレー系の屋根とレンガ色の煙突とがよくマッチしていました。このお洒落な建物は、旧開智学校校舎の隣接地に建っています。 

二つ目は、青翰堂(せいかんどう)書店です。

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松本城の近く、大名町通り沿いにある古本屋さんですね。

松本城を模した立派な建物ですが、両側の高いビルに挟まれてやや窮屈そう。でも、かなり目立っていて、強烈なインパクトを放つ建物でした。一度、こんなお城に住んでみたいものです。

それにしても、階上はどんな間取り(構造)になっているのでしょうか。天守閣の最上階に登ってみたい気がします。 

三つ目は、旧第一勧業銀行松本支店。

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昭和12(1937)年に旧日本勧業銀行の支店として建てられたもの。平成15(2003)年まで旧第一勧業銀行松本支店として営業していました。現在は、国の有形文化財に登録されるとともに、レストラン、ブライダル施設として活用されています。

鉄筋コンクリート造3階建てで、アーチ型の開口部が特徴的ですね。銀行支店が閉鎖された際、市民を中心とする保存活動が功を奏して残されたそう。

見るからに立派な建物で、保存されて良かったです。それも、実際に使用(営業)しながらというのがいいですね。やはり博物館的な使い方(静態保存)よりも、実際に使いながら(動態保存)の方が、建物の価値を引き出せると思います。

松本市には、このほかにも旧制松本高等学校校舎などいろいろな建物が残されています。

歴史的な建造物が保存されたり活用されている街には、自然と人を引き付ける魅力が備わってきます。松本が醸し出す文化的な香りも、歴史的遺産を大切にしてきた賜物なのでしょう。 

少し歩いただけですが、結構、この街が好きになってきました。

松本(信州)街歩き#7(旧開智学校校舎)

唯一の趣味が街歩きで、カメラ片手にあちこち出かけています。街歩きをしていて一番気になるのが、建物とその集合体としての街並みですね。

松本でも、見たい建物が幾つかありました。なかでも、評価が高い旧開智学校校舎は是非訪れてみたい建物でした。

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旧開智学校は、明治9(1876)年に竣工した国内で最も古い小学校校舎のひとつです。

この校舎は、昭和38(1963)年まで約90年間に亘って使われたとか。昭和36年には、近代の学校建築としては初めて国の重要文化財に指定されています。

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構造は、木造桟瓦葺き、寄棟2階建土蔵造りで、中央に「東西南北」の風見を配した八角塔が立っています。和風と洋風が混じり合った擬洋風建築では代表的な建物ですね。

設計と施工を担当したのは、地元の大工棟梁・立石清重とか。当時は西洋建築の知識などさほどなかったはずで、よくぞこのような堂々とした美しい建物が造れたものだと感心します。

建物の玄関の上部には、バルコニーが設けられています。その上屋根に、校名の額を支えるキューピットの姿がありました。その姿と表情が何ともほのぼのしていて良いですね。でも何故ここにキューピットなのかは謎です。

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この建物、とても美しい姿をしていますが、よく見ると玄関を挟んで左右対称ではありません。これは、左右の窓の数が違うことで確認できますね。

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左右対称でなくとも、こんな美しい建物になることに驚きました。

校舎内は、当時の教室の様子などが展示されています。その昔、木造校舎で学んだ身としては、とても懐かしかったです。

教室の窓が小さく感じられますが、これは冬が寒い地域だからでしょうか。

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この旧開智学校校舎、観察するととても興味深い建物で、訪れて本当に良かったです。

パンフレットによれば、国内に姉妹館があるとか。旧開明学校(愛媛県西予市)と旧岩科学校(静岡県松崎町)で、いずれも重要文化財に指定されています。機会を見て、この二つの校舎も見学してみたいものです。

松本(信州)街歩き#6(蔵のある街並み@中町通り)

松本では、中町通りも是非訪れたかった場所の一つです。

この通りは、蔵のある街並みとして有名ですね。現在のような景観となったのは、明治21年松本大火が契機となったそう。その復興・再建に際して、多くの建物が防火用の蔵造りとしたことで今の街並みへと繋がっていきました。

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訪れると、白壁と黒なまこ壁が続く街並みが、快晴の青空にとてもよく似合っていました。ここにいるだけで、何だか心が安らぐようです。

次の写真は"蔵シック館"と呼ばれる市の施設です。平成8年に、近隣の造り酒屋の母屋など3棟を移築したもの。これも先述の大火(明治21年)直後の建築物と言われています。

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軒先に吊り下げられた杉玉や、手漕ぎポンプの井戸などが、造り酒屋だったことを教えてくれます。

続いては「カレーの店デリー」。外観からは、とてもカレー屋さんとは思えません。カレーだけでなく、この建物も、なかなかよい味を出しています。

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中町通りで一番目立った看板と言えば、伊原漆器店ですね。唐獅子の看板が、何とも素晴らしいです。この漆器店は、創業が明治40年だとか。店に置いたあった多色塗りの器は、とても素敵でした。

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次の建物も蔵造りではないですが、よく目立っていました。薬局ですね。その構えは、昔ながらの看板建築。雰囲気があって、とても懐かしかったです。

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この中町通りには、このような店舗が沢山並んでいます。それぞれの建物には特徴があって、一つひとつ丁寧に見ていくと時間がいくらあっても足りないほど。

店頭に井戸水が湧いていたり、JAの直売所があったりと結構楽しめました。

観光客だけでなく、地元住民が買い物などに訪れる商店街であることも魅力となっています。

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中町通り、ここもお勧めです。

松本(信州)街歩き#5(草間彌生@市美術館)

松本で是非とも訪れたかったのが市美術館。ここには、松本出身の前衛芸術家・草間彌生の作品が常設展示されています。

草間彌生と言えば、水玉やカボチャをモチーフにした作品が代表的ですね。

その研ぎ澄まされた感性や迫力ある作品が好きで、草間作品のある瀬戸内海の直島に出かけたり、この6月まで住んでいたシンガポールでは特別展に出かけたりしていました。

写真は、松本市美術館の入り口に置かれた巨大モニュメント「幻の華」です。

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高さが10m、横幅は18mあって草間彌生最大の作品とか。訪れた最初から草間ワールドに圧倒されました。

美術館の建物も写真のように水玉模様で包まれています。

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常設展示の作品数は、それ程多くはなかったですが、好きな作品の一つである"A PUMPKIN かぼちゃ"を観られたのが良かったです。

残念ながら、展示作品の殆どが写真撮影禁止。一つだけ撮影OKだったのが次の"考えるかぼちゃ"でした。なかなかに味わい深い作品です。

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美術館に置かれた自販機も、こんな感じの水玉模様でした。

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よく見ると自販機の前面に"yayoi kusama "のサインがありますね。

この美術館の入場料は410円。草間作品の観覧料としては格安で、お勧めです。

外の道路に出ると、松本周遊バス・タウンスニーカー「水玉乱舞号」が走っていました。

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ナンバーをよく見ると「841=やよい」ですね。

これでもか、と言うくらいの草間彌生尽くし。草間ファンも、そうでない人も、一度は見学されることをお勧めします。

この美術館、期待に違わずなかなか良かったです。

松本(信州)街歩き#4(珈琲まるも)

北アルプス連峰と美ヶ原高原に囲まれた豊かな自然、それに城下町の歴史と伝統等に育まれたせいか、松本の街には独特の文化の香りがしますね。

松本のウリは、三つの「ガク都」(「岳都」「楽都」「学都」)とか。

今回、松本を訪れた日も「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」の真っ最中でした。世界の小澤が総監督を務める国際的音楽祭。これをみても、松本の文化度の高さが分かります。

さて、まちなかを歩き疲れたのでカフェでひと休みしました。訪れたのは「珈琲まるも」です。

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この建物は、もともと松本大火後の1888(明治21)年に防火用の蔵造りで建てられたもの。

その後、松本民芸家具の創立者である池田三四郎が1956(昭和31)年に改装(設計)して、旅館兼喫茶店として開業し現在に至っています。

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写真では少し分かりづらいですが、屋根下に初代・新田茂八郎の名前からとった「モ」の屋号が残っています。

この店では、定番の"渋皮モンブランのケーキセット"を注文しました。どこか懐かしい味で、美味しかったです。

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店内は、民芸家具のセットが置かれて、重厚な雰囲気が漂っています。クラシック音楽がかかっていて、結構落ち着けました。接客も、暖かな感じで良かったですね。

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ちなみに、旅館も営業中だとか。ここの朝食が美味しいそうで、旅館の人気も高いようです。朝食付きで6,000円とか。一度、泊まってみたくなりました。

松本の文化度の高さを、ここでも再認識しました。なかなか素敵な街です。