観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

知恩院の三門(師走の京都#4)

令和元年も今日一日を残すのみとなりました。

年末の正月休みに入ってからは、自宅にこもって家の掃除やら仕事部屋の片付けなどをやっています。 

今年もあちこちへと出かけ、その時に集めた資料が沢山残っていたので出来るだけ処分しています。

ネット社会になってから、紙の資料はほとんど捨てても大丈夫ですね。 ただ思い切りよく捨てられるかどうかだけです。

さて、今年最後のブログ記事は師走の京都歩きの続きです。

写真は、知恩院の三門を撮ったもの。

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知恩院は、浄土宗の総本山ですね。

場所は、東山の円山公園のすぐ近くにあります。

この三門は元和7年(1621年)に建立されたもの。 高さは24m、横幅が50mもある堂々とした門で、屋根瓦はおよそ7万枚も使われているとか。 現在は、国宝に指定されています。

何とも立派な建造物で、見るだけで圧倒されるように感じます。 加えて、その造形美も素晴らしい。

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知恩院ではこの門を山門ではなく、三門と書きます。

三門は三解脱門(さんげだつもん)から取ったものとか。 空門、無相門、無願門で、悟りに通じる三つの境地を、この三門は表すとされています。

この三門を見学に中国人観光客の団体が、引きも切らず訪れていました。

次の写真は、三門の先にある石段を撮ったもの。

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これまた城壁のような、見るからに凄い階段でした。

私も今年一年の活動を振り返りつつ、この三門を潜ってきました。

来年も良い年になるといいですね。

今年一年、この拙いブログを読んで頂き本当に有難うございました。

来年も、あちこち旅をして記事に綴っていきたいと思います。

皆さん、どうぞ良い年をお迎えください。


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古都の夜景(師走の京都#3)

令和元年も余すところ、あと2日となりました。

歳とともに時間の流れが速く感じるようになりますね。

今日は、自宅で部屋の片づけやら掃除をしていました。 年がら年中、あちこちに出歩いているので、年末くらいは整理整頓の時間にあてないと、というところです。

さて、今回も師走の京都行きレポートの続きです。 

写真は、古都・京都の夜景をいくつか撮ったもの。

まずは、京都の玄関口(京都駅)前にそびえる京都タワーです。

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初めて見たときは、変な形(蝋燭の形?)の塔で古都には似合わないと思っていましたが、最近では、この塔を見ないと京都に来た感じがしなくなりました。

よく見れば(慣れれば)、なかなかの造形美と言えないこともないですね。

特に夜間はライトアップされて、綺麗に見えるようです。

次は、改修が終わった南座の遠景です。

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これは先斗町から鴨川越しに撮りました。

アップで撮ったのが次の写真です。

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師走は、恒例の顔見世興行ですね。

勘亭流(かんていりゅう)のまねき看板が、師走の古都の風情を醸し出していました。

今回、最後の写真は辰巳大明神です。

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お茶屋さんが集まる祇園の一角にあって、技芸上達のご利益から芸舞妓さんの信仰が厚い小社です。

このあたりの雰囲気は、京都らしさがあっていいですね。

紅葉シーズンが終わった師走の京都は、観光客も比較的少なくて、訪れるのには良い時季だと思います。


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インドネシア産カカオのチョコレート店 "Dari k" (師走の京都#2)

京都・祇園では前回レポートした「鍵善良房」(和菓子)のほかに、もう一軒訪れたい店がありました。

そこで立ち寄ったのが "Dari K" 祇園あきしの店です。

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"Dari K" はインドネシア産カカオを使ったチョコレートの製造・販売会社。 設立は2011年ですから、創業してまだそれほど年数は経っていないですね。

この会社の一番の特徴は、これまで日本で馴染みが少なかったインドネシア産カカオを原料に使っていること。

カカオは、赤道を挟んだ高温多湿の熱帯地域(カカオベルトといわれます)で生産されています。 主な産地は、中南米、西アフリカ、東南アジアなどですね。 

ただ、その気候条件は、高度30~300m、年平均気温27度、降水量1,000mm以上などとかなり厳しく、その結果産地は限定されています。

現在は、①コートジボアール、②ガーナ、③インドネシアが三大産地とか。

ところがインドネシア産カカオは、地理的に近い日本で、これまでごくわずかしか使われてこなかったそう。

その理由は、インドネシアのカカオ農家が「発酵」過程を省いていたため、品質面で劣ると見做されていたためらしい。 カカオは約1週間ほど「発酵」させると、香りが格段によくなると言われています。

前置きが長くなりましたが、当社の創業者がインドネシアの農家を指導して、以前より高い値段で買い上げたカカオを使用したのが、この店のチョコレートです。

当社のリーフレットによれば、「国連が定める ”持続可能な開発目標” (SDGs)に則った様々な活動を展開している」として、「カカオの品質向上・収量増加を通じた所得向上」などなどの具体的な活動内容が示されていました。

訪れた "Dari K" 祇園あきしの店の内部は、次の写真のようでした。

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センス良く並べられたチョコ製品を試食させてもらうと、どれもカカオの香りが素晴らしく、とても美味しかったです。

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いくつか土産用に購入したら、おまけのチョコ菓子まで頂きました。

個人的にも、シンガポール駐在時にインドネシアに出かけていたので、馴染みやすい商品ですね。

また、一消費者としても、こうした社会貢献に熱心な企業を応援していきたいと思っています。

なお、訪れた祇園あきしの店は、残念ながら近日中に閉店されるとのことでした。

京都本店(新大宮商店街内)やネット通販などで購入できるので、引き続き応援していきたいと思っています。


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祇園の事始め、鍵善の和菓子(師走の京都#1)

所用があって師走の京都へと出かけました。

ここ3年ほどは、毎年この時季に通うのが恒例行事となっています。

新幹線で京都駅に着いたのが午前中で、約束の時間には少し余裕がありました。

どこかで時間をつぶそうと考えていたところ、当日が師走の13日であることに気づき、向かった先が祇園でした。

写真は「事始め」で挨拶廻りに行きかう芸舞妓さんを撮ったものです。

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「事始め」(ことはじめ)とは、花街や室町・西陣の旧家などで12月13日を1年の区切りとして、この日から正月を迎える準備を始めることをいいます。

祇園では芸舞妓さんが芸事のお師匠さん宅や馴染みのお茶屋さんを訪れて、この1年の感謝などを伝えます。

祇園の花見小路に着くと、沢山の観光客などがカメラを持って待ち構えていました。 もちろん、お目当ては挨拶廻りで行きかう芸舞妓さんです。

ニュースなどで聞いてはいましたが、中国人をはじめとする外国人観光客が確かに多かったですね。

沢山の観光客(ヤジ馬)などには目もくれず、颯爽と歩く芸舞妓さんは、なかなかに素敵だったです。

次の写真は、祇園に店を構える「鍵善良房」を撮ったもの。

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ここは、京都を代表する老舗の和菓子屋として有名ですね。 創業は、江戸中期の享保年間(1716年~1736年)だとか。

ここの名物が「くずきり」です。 これは本当に絶品です。

今回は時間の関係で、土産用の和菓子を買いました。

店内のケースには、次の写真のような菓子が並んでいました。

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今回は少し日持ちがする「おひもさん」と「東山」のセットを購入してみました。

後日、自宅で食べたところ甘さも控えめな上品な味で本当に美味しかったです。

特に「おひもさん」は、肉桂と黒胡麻が利いていて良かったですね。

店内の様子はこんな感じです。

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窓側の上部には、菓子の木型が並べてありました。

店員さんの対応も素晴らしく、この店は皆さんにおススメしたいと思います。

 
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焼酎で一人酒(鹿児島その11)

鹿児島といえば、桜島に温泉、それに何といっても焼酎ですね。

今回の旅では、久しぶりに焼酎で一人酒を楽しんできました。

出かけたのは、天文館の七味小路にある「家のじ」。

地元の知人から教えてもらった居酒屋で、鹿児島に行くと、ここで焼酎を呑むことが多いです。 

転勤で当地に在住していた頃、焼酎の蔵元巡りをしたこともあったりで、銘柄にはそこそこ詳しくなりました。

今回久しぶりに呑んだのが「薩摩茶屋」です。

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よくプレミア芋焼酎として3M(森伊蔵、魔王、村尾)が取り上げられますね。

この「薩摩茶屋」は、「村尾」の醸造元(村尾酒造)のレギュラー酒です。

ここは薩摩川内市にある小さな蔵元で、芋焼酎の「村尾」と「薩摩茶屋」、麦焼酎の「むんのら」の3銘柄を造っています。

なかでも「村尾」は、人気が出過ぎて今では入手が困難となってしまいました。 それに買うのも躊躇するくらい高く売られています。  

それに比べて「薩摩茶屋」は、まだ手に入りやすいですね。 飲み口もまろやか、スッキリ系なので個人的には一押しの銘柄です。

この日は、他に「六代目百合」(甑島・塩田酒造)と「三岳」(屋久島・三岳酒造)なども呑んでみました。

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甑島屋久島へ出かけた時のことを思い出しながら呑むと、何とも懐かしかったです。

料理は、きびなご、さつま揚げ、地鶏、黒豚などが少しづつ出てくるという「薩摩コース」(@2,480円)をお願いしました。

出てきた料理は、こんな感じですね。

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昔は、この店で屋久島沖で獲れたての「首折れサバ」の刺身をたべるのが楽しみでしたが、当日はメニューになくて残念でした。

酒や料理は、その素材が土地の風土を反映しているので、現地で食べたり、呑んだりするのが一番ですね。

書いているうちに、また鹿児島に出かけたくなってきました。

食の魅力は、観光振興(旅客誘致)にも大いに役立っているようです。

  
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鹿児島中央駅(鹿児島その10)

鹿児島中央駅は、鹿児島の陸(鉄道)の玄関口ですね。

かつて転勤で当地に住んでいた頃は、まだ「西鹿児島駅」という名前でした。

この旧駅名は、かつてのブルートレインの利用客やファンにとっては終着駅として馴染んだ、とても懐かしい名前だと思います。

駅名が変更されたのは2004年(平成16年)で、九州新幹線が鹿児島乗り入れを実現したのと同時でした。

その時に新しい駅舎や駅ビルが整備されました。

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久しぶりに訪れた鹿児島中央駅周辺は、インバウンド効果もあってか結構な賑わいでした。

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駅ビル(アミュプラザ鹿児島)の屋上に設置されているのは、観覧車「アミュラン」です。

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直径が約60m、最大高は約91mもある観覧車で、今では市内のランドマークとなっています。 一周約14分強で回り、料金は大人500円とか。

出来たばかりのころに一度乗ったことがありますが、桜島などが間近に見える眺望は何とも素晴らしかったです。 

駅前には、幕末から明治期にかけて活躍した人々の銅像が建っています。

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これは慶応元年(1865年)に英国へと渡った薩摩藩留学生17人の「若き薩摩の群像」ですね。 高さは約12mあって、駅前でよく目立っていました。

17人の中には、森有礼五代友厚など維新後に活躍した人たちが多く含まれています。

銅像が完成したのは1982年(昭和57年)。 作者は彫刻家の中村晋也(元鹿児島大学教授)で、中村は甲突川河畔に建つ大久保利通銅像も制作しています。

ところで、地元の人たちに聞くと、少し前まで鹿児島市内の中心は天文館地区だったのが、新幹線開通や駅周辺の再開発によって賑わいが中央駅周辺へと移ってきているとか。

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確かに転勤で当地に住んでいたころは、買い物や飲食、ビジネスの中心といえば天文館でした。 百貨店は地元の山形屋のほか三越もありましたしね(三越は平成21年に閉店)。

街は生き物なので、時代の流れによって盛衰を繰り返します。

これは世界中の都市に共通して言えることでもあります。 

鹿児島もその例外ではないので、街の重心が従来の繁華街から移動していくことも大いにあり得る話です。

それでも、歴史や伝統が息づく昔ながらの街の魅力というのは、なかなかに色褪せるものではないと思います。 

その魅力をどうやって維持・増進させて、人々にアピールしていくのか、これからも定期的に鹿児島を訪れて観察していきたいと思っています。


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日本最南端の路面電車(鹿児島その9)

現在、町なかを路面電車が走っている都市は、全国でおよそ20ヶ所ほどあります。

そのうち九州は3都市(長崎、熊本、鹿児島)で、鹿児島の路面電車が最南端となります。

近年では、旧来の路面電車LRT(Light Rail Transit)として活用していこうとする動きが全国で出ています。

LRTは、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、快適性などに優れた特徴をもつ次世代型交通システムのこと。

人と環境に優しい公共交通として再評価されていますね。

写真は、鹿児島で撮った路面電車です。

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鹿児島の路面電車は、市営で4路線計13.1㎞を運行していますが、年間で延べ1千万人もの利用客があって市民の重要な足となっています。

路面電車が走る町は、どこかゆったり(のんびり)とした風情があっていいですね。

走る速度もさほどではないので、車窓から眺める町の景色もよく見ることが出来ます。

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かつて鹿児島への転勤が決まったとき、一番楽しみにしていたのが、温泉(町なかの銭湯が天然温泉!です)と路面電車に乗ることでした(それに焼酎ですね)。

今回訪れた際も、久しぶりに路面電車に乗ってみました。

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当地では、軌道敷の緑化事業を進めているので、電車が芝生のうえを走っているように見えます。 

見た目も良いうえに、ヒートアイランドなどの環境対策に有効とか。

料金は170円でした。 但し、全国共通の交通系ICカードSuicaPASMOなど)にはまだ対応していません。

仕事柄、全国のあちこちに出かけますが、最近はICカードのおかげで公共交通機関を利用する際に小銭を用意しなくて済むようになりました。

鹿児島は大が付くほどの観光都市で、あちこちから旅行者がやってきます。 是非、路面電車にも全国共通のICカードが使えるようにして頂ければと思います。

それにしても、鹿児島で乗ったLRV(低床式車両)は快適でした。

次回訪れた際にも、ぜひ乗ってみたいと思います。


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