観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

丹波篠山(兵庫県)まち歩きNo.8(丹波杜氏)

このところ仕事が忙しく、久しぶりのブログ更新となりました。

土曜日ながら、やるべきことが山積で已むなく仕事場に来ています。

人気(ひとけ)のないオフィスは寒々としていますが、いろいろ考えるにはもってこいの環境ですね。


さて、丹波篠山まち歩きの続きです。

丹波篠山は、丹波杜氏のふるさとでもあります。


杜氏(とじorとうじ)とは、蔵人をまとめて日本酒造りを任される酒造のリーダー(頭司)のこと。

広義には丹波杜氏のように杜氏を頂点とする酒造り集団を指します。

なかでも丹波杜氏は、南部杜氏岩手県)、越後杜氏新潟県)とともに日本三大杜氏の一つに数えられています。

丹波杜氏は、農閑期の出稼ぎとして江戸期に発展したもの。 

春から秋は米づくりを行い、冬には酒造地に出稼ぎ(百日稼ぎ)して生活の糧を得ていました。

その酒造技術は「丹波流」と呼ばれ、伊丹や池田、灘五郷などの銘酒は丹波杜氏なくしては生まれなかったと言われるほどです。

明治期の最盛期には、約5千人もの杜氏がいたとか。

今は、酒造の近代化などで丹波杜氏もかなり少なくなっています。

確かに最近は、蔵元が酒造りを全ておこなう「一人蔵」が増えていますね。

かつて会津若松福島県)の蔵元を取材した際、そこは女性杜氏が酒造りに情熱を燃やしていました。

伝統ある日本酒の酒造業界も、大きな変革期を迎えているようです。

                                      (丹波篠山、続く)