観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

京都市と京都府、観光振興へ特区申請(最近の新聞報道から考えること)

一昨日(10日)の日経MJ紙に、京都市京都府京都市内の観光振興を目的として総合特区地域活性化総合特区)を申請したという記事がありました。

内容は、既存の建築物や文化財を観光資源として活用するための規制緩和が主なものとか。

具体的には、京町家を旅館に転用する際の設備基準の緩和や、文化財に指定された神社仏閣や庭園などを国際会議の会場に利用する際の手続き簡素化など。

京町家は現在、市内に約4万8千軒あり、維持管理の大変さや相続の問題などで、年々減少しているのが実情。

宿泊施設とするには、旅館業法等の基準をクリアしなければならず、設備的にも難しい。

今回の申請は、これらを特区制度によって規制緩和し、町家など既存建物の有効活用を図ろうとするものです。


私はこの夏、京都の町家を借りてみた経験があります。

せっかく京都に行くのに、ホテルでの宿泊では面白くないと思い、町家に泊まってみました。

もちろん旅館営業ではないので、ごく短期の賃貸借契約という形での利用でした。

空家等になっている町家が、規制緩和で旅館等として活用されれば、保護・保全の進展が期待できます。

もちろん旅行者にとっても、町家暮らしという得難い経験が容易にできるようになります。


京都市では現在、「5000万人感動都市」の達成を数値目標の一つとしています。

量的なもの(観光客数など)より、質的なもの(感動)の向上を狙った観光戦略として、とても興味深い。

京都ブランドといえば最強の地域ブランドですが、それをいかに持続性あるものとしていくか、質的なレベルアップを狙う京都の戦略に注目したいと思っています。

なお次回から、このブログで京都まち歩きを書いていきます。 私が試しに泊まった町家についても触れる予定です。