福岡では、地元在住の知人と夕食したあと、一人で那珂川べりを散歩しました。
写真は、橋の上から中洲方面を撮ったもの。川面にネオンが映える様子は、いつもながら、なかなかの風情でした。
福岡へ出かけるたびに立ち寄るのが、川端にある屋台街です。
今回もラーメンとおでんを楽しみに訪れましたが、屋台の周辺は外国人観光客等でかなりの混雑でした。
目当ての屋台も満席で入ることが出来ません。
仕方なく、あたりをブラブラしてから、屋台の前で席が空くのを待っていました。
川端の屋台は、以前から混んではいましたが、これほどの混雑は今回が初めてです。
ようやく席が空いて、ビールにおでん、ラーメンと立て続けに注文し、急いで食べて退散しました。(なお、私が入ったのは上の写真の屋台ではありません。念のため)。
狭い屋台で満席、しかも席待ちの人が後ろにいたりすると、落ち着いて飲んだり食べたり、ましてや話したりは出来ません。本来の屋台の良さが薄れたように感じて、一抹の寂しさを感じました。
そこで考えたことは、観光の現場や学会などで最近よく聞かれるようになった「オーバーツーリズム」についてです。
「オーバーツーリズム」とは、増えすぎた観光客でさまざまな弊害が起きることを言います。
観光客があふれることによる交通渋滞、街なかの混雑、ホテルやレストラン等のインフラ不足、ゴミやトイレなどの環境問題などなど。
これらの問題によって、地域住民の日常生活にも大きな影響が出てきます。
また、観光客が受けるサービス水準も低下していく恐れがあります。
ひいては、観光地の魅力そのものが棄損していくことにもなりかねません。
世界でも、最近になってベネチア(イタリア)やアムステルダム(オランダ)、ボラカイ島(フィリピン)などで「オーバーツーリズム」の問題点が表面化しました。
日本でも、京都の観光客が増えすぎて、市民生活に影響(長時間のバス待ち、交通渋滞など)が出ていると言われています。
今回、訪れた福岡市内や屋台街でも、同じような「オーバーツーリズム」の弊害が出始めているのではと感じました。
「オーバーツーリズム」に対しては、時間分散や場所分散、季節分散など、いくつかの対策が考えられます。
これらの詳細は、別途の機会に書きたいと思います。
今回は、福岡の屋台で経験した大混雑をもとに、「オーバーツーリズム」について書いてみました。