観光研究者の街歩きフォト日記

まちを歩き、観察する観光・地域ブランド研究者の写真ブログです。

宗教都市・天理市(奈良県)

奈良県天理市にある石上神宮(「二十二社」 のひとつ)を訪ねての帰り、天理教の本部などを見学してきました。

ここ天理市(人口6万5千人)は、わが国最大の宗教都市として知られています。

街の中心部には天理教関連の施設が立ち並んでいて、独特の雰囲気があります。

写真は、広大な敷地に建つ天理教本部を撮ったものです。

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東西南北に礼拝場の建物があって、その真ん中(ぢば)には神殿があり、信者が四方の礼拝場から礼拝できるようになっています。

この礼拝場の入り口では、天理教の法被を着た人たちが迎えてくれました。

見学してもいいか尋ねたところ、誰でも(信者以外でも)入って大丈夫とのこと。

しかも見学は、毎日24時間いつでも可能だとか。

それに記帳などもなかったですね。

礼拝場に入ると、とてつもなく広い畳の広間が続いているのにびっくりしました。

畳は全て合わせて3,157畳あるそう。 

参考までですが、巨大さで知られる東本願寺御影堂(京都)が927畳と言われていますから、その広さのほどが分かりますね。

内部では信者さんが熱心に礼拝されていて、とても清浄な雰囲気が漂っています。

礼拝の様子は、手の動きに特徴があるようです。 

それは、心のほこりを払う動作だとか。

次の写真は教祖殿です。

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礼拝場でしばらく見学させて頂いたあとは、教祖殿へと繋がる長い廻廊を歩いてみました。

次の写真は廻廊を外から撮ったものです。

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廻廊内には雑巾が置いてあって、いつでも掃除ができるようになっています。 実際に何人かの信者さんが、ふき掃除をしていました。

係の人は、白足袋で歩いても汚れないほど綺麗ですよ、と教えてくれました。

神道(神社)とも仏教(寺院)とも異なった宗教空間で、とても興味深かったです。

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係の人たちも、皆さん丁寧に応対して頂いて、こちらが恐縮するほどでした。

学生時代からのスポーツ(観戦)好きで、これまで天理と言えば大学のラグビー部や高校の野球部に注目してきました。 

実際に街を訪れてみて、天理教を中心に動いている様子に新鮮な驚きを感じました。

この街は、信者ならずとも一度は訪れてみると良いと思います。

まちづくりや地域振興(観光振興も含めて)など、何らかのヒントが得られるはずです。


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石上神宮【二十二社詣で】(奈良・天理市)

石上神宮(いそのかみ・じんぐう)を訪れました。

ここは「二十二社」(中七社)のひとつです。

二十二社」とは、神社の社格のひとつで、天変地異などの重大事がおこったときに国家(朝廷)が奉幣使を立てた社格の高い神社を指します。

現代流に言えば、強力なパワースポットですね。

石上神宮の最寄り駅は、JRと近鉄が乗り入れる天理駅です。 そこから天理本通(商店街)をまっすぐに歩くことおよそ30分。 山の辺の道近くに石上神宮が見えてきました。

写真は楼門(重要文化財)を撮ったもの。

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布留山の麓にあるお社は、木々に囲まれて鬱蒼とした雰囲気です。

近づくにつれて鶏の鳴き声が騒がしく聞こえてきました。

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ここでは神社ではなく神宮を名乗っています。 

それは、天皇や皇室の祖先神を祭神として祀っているためとか。

いま全国で神宮と称している神社は、伊勢神宮を筆頭に25社あります。

例えば、鹿島神宮香取神宮熱田神宮などなど。

ただし「日本書記」(720年成立)に記された神宮は、伊勢神宮石上神宮の2社のみとか。

これに従えば、石上神宮伊勢神宮と並んで最も古い(歴史がある)神宮ということになります。

また、古代大和(ヤマト)政権の有力部族であった物部氏氏神であったとも伝わっています。

この由緒からだけでも、石上神宮の重要性や社格の高さが分かりますね。

次の写真は拝殿です。

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入母屋造、檜皮葺で鎌倉時代の造営だとか。 現在は、国宝に指定されています。 さほど大きくはありませんが、しっかりとした造りの建造物でした。

お参りした後は、いつものように御朱印をいただきました。

楼門前の階段を上ったところには、摂社の出雲建雄神社があります。

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この神社の拝殿は、国宝に指定されている貴重なもの。 見逃す人も多いので、参拝される際には是非見ておかれることをお勧めします。

神宮の庭には、鶏が放し飼いされていました。

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鶏は神様の使いですね。 綺麗な羽をもった鶏が遊ぶ姿を見ていると、あっという間に時間がたってしまいました。

天理市には、「二十二社」のうち石上神宮大和神社の二社があります。

現在では、さほど知名度が高いとは言えませんが、社格では最上位に位置する神社です。

一度は訪ねてみられることをお勧めします。


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萱生環濠集落など(奈良・天理市)

大和神社二十二社のひとつ)にお参りしたあとは、近くにある萱生環濠集落(かよう・かんごうしゅうらく)を見学してきました。

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環濠集落とは、外敵から身を守るため周りに濠を巡らせた集落のこと。

奈良盆地に多くみられる集落の形で、その始まりは室町時代の戦国期に遡ると言われています。

大和神社からは、緩やかな坂を上っていった先に萱生環濠集落はありました。

山の辺の道に沿った集落で、なかなかに立派な民家が立ち並んでいます。

この集落の濠は、隣接する西山古墳の周濠を利用したものだそう。

水辺があるので、何気に風情を感じられる景観でした。

山の辺の道をウォーキングしている人たちを見かけましたが、古墳や古社の多いこのあたりを歩くのは面白いでしょうね。

環濠集落を見学してから、もと来た道をJR長柄駅万葉まほろば線)へと引き返していると、あちこちに冬枯れの柿畑がありました。

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シーズンが終わって取り残された柿の実が、なかなかに印象的な風景でした。

萱生地区(天理市)で主に栽培されているのは、当地区発祥の「刀根早生」という品種です。 

これは柿の三大品種に数えられていて、他の二種は「富有」と「平核無(ひらたねなし)」となります。

奈良と言えば「柿の葉寿司」が有名ですが、これも萱生地区のような柿の産地があるからこそでしょうね。 この地区を訪れて、ひとつ賢くなった気分です。

次の写真は、大和神社の近くで撮ったもの。

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奈良盆地では、こうした風景があちこちに残っているので、歩いていても楽しいです。

いつか気候のよい時季に山の辺の道を歩こうと心に決め、JR長柄駅から電車で天理駅へと向かいました。


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大和神社【二十二社詣で】(奈良・天理市)

大和神社(おおやまと・じんじゃ)を訪れました。

ここは、前回のブログで紹介した「二十二社」のひとつですね。

二十二社」とは、神社の社格のひとつで、天変地異などの重大事が起こったときに国家(朝廷)が奉幣使を立てた社格の高い神社を指しています。

京都駅から近鉄線に乗って天理駅で下車。 JR万葉まほろば線へと乗り換えて、ひとつ先が大和神社の最寄り駅(長柄駅)となります。

長柄駅からは、散策がてらゆっくり歩いて7分ほど。 鎮守の森に囲まれた大和神社が見えてきました。

写真は、社殿を撮ったもの。

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小ぶりながらも凛とした佇まいです。

ご祭神は「日本大国魂大神」(倭大国魂神)をはじめとする三柱。

「日本大国魂大神」は、もともと「天照大神」とともに宮中に祀られていた神様です。

疫病が発生したため、この二柱を宮中の外に祀ることになり、「天照大神」は伊勢神宮三重県)へ、「日本大国魂大神」は大和神社へとそれぞれ祀られたそう。

この由緒だけで大和神社の重要性や社格の高さが理解されますね。

かつては広大な神領を持つ一大勢力でしたが、平安京遷都や藤原氏氏神=春日大社)の台頭により神領も浸食されて次第に衰退していったとか。

訪れた時には、神職が庭掃除をされていて、その場で神社の成り立ちや現在の様子などを丁寧に教えて頂けました。

もちろん、お参りしたあとは御朱印も頂戴しました。

この神社は、太平洋戦争時の戦艦「大和」とも深くつながっています。 当社のご祭神の分霊が艦内神社として祀られていたそう。

そして大和神社には、祖霊社として「大和」乗組員の霊が合祀されています。

次の写真は、その石碑を撮ったものです。

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境内はさほど広くはなく、他に参拝者もいませんでした。

かつての隆盛は忘れ去られたような佇まいでしたが、静かで落ち着いた雰囲気があってゆっくりとお参りできました。

次の写真は、参道の途中にあった公民館に貼られていたもの。

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当社が今年の作物の出来を占っているようです。

今は訪れる参拝者も少ないようで、神職に「二十二社詣で」をしていると話したら喜んでおられました。

そして、近くにある(といってもクルマで30分ほど)「大神神社」(おおみわ・じんじゃ)への参拝も勧められました。 

大神神社」は、この周辺では最も崇敬されているお社だそう。 日本酒の神様としても有名ですね。 ここも「二十二社」に入っているので、機会を改めて訪れたいと思っています。


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二十二社詣で&大和神社(奈良・天理市)

時間がかかるかもしれませんが、これから「二十二社詣で」をやってみようと思っています。

きっかけは、昨年11月に出版された『二十二社 ~朝廷が定めた格式ある神社22~ 』島田裕巳幻冬社新書)を読んで、とても面白く、かつ興味深かったこと。

二十二社」とは、神社の社格のひとつで、天変地異などの重大事が起こったときに国家(朝廷)が奉幣使を立てた神社を指します。

二十二社」がすべて定まったのは、1039年(平安時代後期)といわれています。

当時の朝廷が深く帰依して手厚く祀り、国家的な異変が起きた際に頼ったとされる22の神社で、いずれも社格が高い(大小神社の首班に列する)ものが選ばれています。

観光振興や地域ブランドのリサーチをしている身としては、ぜひ「二十二社」を自分の目で確かめておきたいと思った次第です。

もちろん参詣することで、社格が高いとされる神社のご利益に期待したこともありますが。

まずは「二十二社」に選ばれている神社を具体的にみておきましょう。

  【上七社】

    ・伊勢神宮(三重・伊勢市

    ・石清水八幡宮(京都・八幡市

    ・上賀茂、下鴨神社京都市

    ・松尾大社京都市

    ・平野神社京都市

    ・伏見稲荷大社京都市

    ・春日大社奈良市

  【中七社】

    ・大原野神社京都市

    ・大神神社(奈良・桜井市

    ・石上神宮(奈良・天理市

    ・大和神社(奈良・天理市

    ・廣瀬大社(奈良・河合町)

    ・龍田大社(奈良・三郷町

    ・住吉大社大阪市

  【下八社】

    ・日吉大社(滋賀・大津市

    ・梅宮大社京都市

    ・吉田神社京都市

    ・廣田神社(兵庫・西宮市)

    ・八坂神社(京都市

    ・北野天満宮京都市

    ・丹生川上神社、中社(奈良・東吉野村

            上社(奈良・川上村)

            下社(奈良・下市町)

    ・貴船神社京都市

以上ですが、大きな特徴は次の通りです。

 ①「二十二社」を3つ(上社、中社、下社)に区分している。

 ②地域は京都と奈良が中心で、三重、大阪、滋賀、兵庫にも存在する。

 ③伊勢神宮春日大社伏見稲荷大社など、多くの人が名前を知る神社がある一方で、丹生川上神社のようにあまり知られていない神社も含まれている。 

 ④出雲大社厳島神社など近畿圏にない神社は含まれていない。

最近は「二十二社」を巡るツアーの人気も出始めているとか。

まあ、これは御朱印ブームなどが背景にあるようですが。

この「二十二社」は一体どんな神社なのか、これから何年かかるか分かりませんが、私も一つひとつ訪ねてみたいと思います(既に訪れている神社もあります)。

ということで、早速出かけたのが奈良県天理市にある「大和神社」と「石上神宮」など。

写真は「大和神社」(おおやまと・じんじゃ)の拝殿を撮ったものです。

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参道から見るとこんな感じですね。 

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次回から、訪れた際に撮った写真を交えてレポートしていきたいと思います。 

 
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帯広農業高校がセンバツ出場へ(十勝・帯広)

先週、選抜高校野球2020の出場校(32校)が決まりましたね。

個人的には、帯広農業高校(北海道)の21世紀枠での選出がとても嬉しかったです。

1982年の夏以来、甲子園には38年ぶりの出場とか(春は初出場です)。

日本各地のなかで十勝・帯広の風土が好きで、年に1回は必ずといってよいくらいに訪れています。

帯広農業高校には、昨年の初夏に初めて訪れました。

同校の敷地内にあるカラマツの並木(防風林)が何とも素晴らしいと聞き、それを見学してきました。

写真は、そのカラマツの並木(全長420m)を撮ったものです。

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ただし、帯広農業高校の敷地は、東京ドーム23.5個分の広さがあります。

おかげで自力ではカラマツ並木までたどり着けず、迷子になってしまいました。

野球グラウンドの近くをウロウロしていて、近くにいた生徒さんに方角と場所を教えてもらって、ようやくたどり着くことができました。

その際にグラウンド内から大きな声で挨拶してくれた野球部員の元気さには、びっくりしました。 

今思い起こせば、バックネットに「めざせ甲子園出場」といったような幕が張られていましたね。

その時は、それほどの強豪校とはつゆ知らず、でしたが。

それにしても、この高校の生徒さんは、みな礼儀正しくて親切ですね。 とても雰囲気の良い素晴らしい学校です。

風に鳴るカラマツの並木を見上げながら暫く散策しましたが、心身ともに癒されるようでした。

白樺も綺麗に並んで植えてありました。

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校内(敷地)への立ち入りは自由のようで、都会の学校のような塀とか門扉などは見当たりません。 

何ともおおらかで、都会のせせこましい生活を送る身からすると羨ましい限りです。

なお、帯広農業高校のOGに漫画家の荒川弘(女性です)がいます。

彼女が描いた人気の連載漫画「銀の匙 Silver Spoon」の舞台(大蝦夷農業高校)は、ここ帯広農業高校がモデルとなっています。

2018年、夏の甲子園で活躍した金足農業高校秋田県)と同じくらいの活躍を帯広農業高校にも期待したいと思っています。

ちなみに、今春のセンバツで北海道代表は、白樺学園高校となりました。

白樺学園高校は芽室町にあり、私の好きな十勝地方から2校の出場となります。

この春の楽しみが一挙に増えて、とても嬉しく思っています。

(なお、私の出身県である兵庫県からは明石商業高校が出場します。 念のためのお知らせでした。)


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渋谷道玄坂あたり、夜20時頃(東京・渋谷区)

この土日は自宅でゆっくりと過ごしていました。 

寒さが苦手なので、真冬の1月と2月はよほどのことがない限り旅には出ないようにしています。

写真は、先週の金曜日、仕事帰りに道玄坂から撮った渋谷の夜景です。

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渋谷は通勤の乗り換え駅として使っています。

毎日のように通ってはいますが、駅から外に出る事はあまりないですね。

いつも、人の多さと混雑ぶりに閉口して、さっさと乗り換えることが多いです。

この日は、道玄坂上にある書店へとたまたま出かけたので撮ってみました。

写真の真ん中の高いビルは、昨年11月に開業したばかりの"渋谷スクランブルスクェア"ですね。

地上47階、地下7階建て、高さ約230mの高層ビルです。

渋谷地区では今一番高いビルだそう。

ここの屋上にある展望台"渋谷スカイ"がとても人気となっています。

夜景を見に一度は行ってみたいのですが、それも暖かくなってからになるでしょうか。


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