観光研究者の街歩きフォト日記

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伏見稲荷大社【二十二社詣で】(京都市)

伏見稲荷大社を訪れました。

ここは「二十二社」(上七社)に含まれる神社です。

二十二社」とは、神社の社格のひとつで、天変地異などの重大事がおこったときに国家(朝廷)が奉幣使を立てた社格の高い神社をさしています。

この社格は、1039年(平安時代後期)に御朱雀天皇により制定されたもの。

22の神社はさらに「上七社」「中七社」「下八社」に区分されています。

伏見稲荷大社は「上七社」なので、「二十二社」のなかでも最上級の社格を有した神社であることが分かります。

全国各地にある稲荷神社(お稲荷さん)は、すべて伏見稲荷大社の分社です。

日本では八幡神社が一番多いと言われますが、小さな祠まで数えれば稲荷神社の方が多いそう(全国でおよそ3万社とか)。

最寄り駅である伏見稲荷駅京阪電車)で降りると、そこからはもうお稲荷さんワールド。 

豊臣秀吉が寄進したという楼門は、朱色も鮮やか。 両脇で神狐が迎えてくれました。

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伏見稲荷大社の創建は和銅年間(708~715年)と、かなりの古さです。

もともと、松尾大社(こちらも二十二社(上七社)です)とともに秦(ハタ)氏の氏神でした。

秦氏帰化人の豪族。 太秦(京都)で広大な農地を開発し、大和朝廷にも大きな影響力を及ぼしていました。

桓武天皇平安京(京都)への遷都を勧めたのも秦氏だったとか。

稲荷(いなり)の名前からも分かるように、ここは農耕神ですね。

また、空海が京都に東寺を開いてからは、東寺の鎮守神とされ、真言宗を重んじた朝廷から「二十二社」に選ばれたといわれています。

写真は本殿を撮ったもの。

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装飾や色彩が綺麗で、とても華やかな印象でした。

本殿の両脇にも神狐が控えていました。

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狐は稲に害するネズミを退治することから、農耕神の神使だと信じられています。

ここでも参拝のあとは、御朱印を頂いてきました。

それから、 ”お山めぐり” で稲荷山の頂上(標高233m)を目指しました。

その途中で撮ったのが次の写真です。

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 ”お山めぐり” のハイライトは、何といっても ”千本鳥居” ですね。

ここは外国人にも人気のスポットで、訪れた日も沢山の人たちが行列のように歩いていました。

写真は、人波が途絶えた一瞬を狙って撮ったものです。

朱色の鳥居から射し込む光が、なんとも神秘的でした。

この神社には、また季節を変えてぜひ訪れてみたいと思います。

なお、「二十二社」詣でのレポートも今回で5社(大和神社石上神宮春日大社、八坂神社、伏見稲荷大社)となりました。

まだまだ先は長いですが、何とか22社すべてを参拝したいと思っています。


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